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<東松島市>企業版ふるさと納税子育てに積極活用

企業版ふるさと納税を活用して設置した案内板=東松島市宮戸島

 東日本大震災で被災した宮城県東松島市が観光振興や子育て支援の事業に「企業版ふるさと納税」を積極的に活用している。2016年度は被災地支援やCSR(企業の社会的責任)活動をする7社から計610万円の寄付があった。市の担当者は「企業からの支援を事業に有意義に生かしたい」と感謝する。
 市は16〜19年度、「観光地域づくりプロジェクト」(総事業費1億6000万円)と「子ども・子育て応援プロジェクト」(同1070万円)を実施する。事業費は企業版ふるさと納税や一般財源で賄う。
 16年度の寄付は、観光プロジェクトにKDDIエボルバ(東京)、武田薬品工業(同)など6社から計560万円、子育て応援プロジェクトにドイツの自動車部品メーカー・ボッシュの関連会社から50万円。観光地の宮戸島に外国語併記の案内板を設置したり、子育て支援施設に遊具を補充したりして役立てた。
 市幹部らが、同制度をPRしようと東京都や仙台市で企業訪問を展開。阿部秀保前市長も来訪者に呼び掛けるなど力を入れ、一定の成果につながったとみられる。
 本年度は、観光では復興まちづくりや防災を学ぶツアーのルート作りや、同市野蒜地区の「震災メモリアルパーク」の環境整備に取り組む。子育て応援では、市内の施設に滑り台や親子が触れ合う空間を設ける。
 「復興のトップランナー」と称される同市には、視察研修などで国内外から訪れる人が絶えない。震災の影響で子どもの遊び場が減るなどの課題を抱える。
 武田薬品工業の吹田博史企業市民活動・寄付担当部長は「20年には東京五輪があり、海外から多くの観戦者らが来日する。東松島市にもアクセスし、復興の状況を見てほしい」と望む。
 市地方創生推進室の担当者は「企業版ふるさと納税は市と企業の双方にメリットがある制度」と協力を呼び掛け、渥美巌市長は「市は人口減少対策などの問題も抱える。企業の寄付に感謝し、復興にさらに力を入れる」と話す。

 [企業版ふるさと納税]2016年度に創設された制度。国が認定した地方創生のプロジェクトに対して企業が寄付した場合、法人住民税や法人税などの税額控除により、3割分の税負担を軽減する。この制度のほかに、税負担が寄付額の約3割減る仕組みがあり、これと合わせると、実質的な企業の持ち出しは寄付額の約4割となる。


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2017年05月30日火曜日


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