宮城のニュース

<金華山>クライミング人気が復興後押し

金華山でクライミングを楽しむ外国人の愛好者
金華山のクライミングスポットの一つ=22日午後0時20分ごろ、石巻市の金華山

 東日本大震災で被災した石巻市の離島・金華山が岩場の魅力と景観で、国内外のクライミング愛好家の人気を得ている。スポーツクライミングが2020年東京五輪の正式種目に決まり、競技への注目度もアップ。震災で落ち込んだ金華山観光の復興に向け、一筋の光明となっている。
 愛好家らでつくるNPO法人「ファースト・アッセント・ジャパン」(FAJ、仙台市)は13年から、クライミングなどで島の復興を目指す「宝島プロジェクト」を展開。土砂の除去や岩場のアプローチルートの調査、普及イベントに取り組んでいる。現在は島内8カ所にスポットがある。
 全域が山になっている島で、体だけで登るボルダリングや、岩を傷つけずにロープを張って登る「トラッド・ギア」の愛好者の案内にも力を入れている。地道な活動が浸透し、今月上旬のイベントには全国から56人が参加。応募開始2日で定員を超えたという。
 米国のアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」などが制作した金華山でのクライミング動画も島の認知度を高める契機になった。国内外の著名なクライマーが岩場を攻略する映像を動画サイト「ユーチューブ」で公開している。
 米国出身のエリック・シックスさん(36)=東京都目黒区=も動画を見て22日に金華山を訪れ「素晴らしい岩場だ」と絶賛した。外国人向けガイド会社を設立予定のギント・アトキンソンさん(48)=茨城県つくば市=は「美しい景観に加え、神社がある。日本文化にも触れられ、外国人に好まれるだろう」と話す。
 スポーツクライミングの競技人口は五輪種目の追加決定で増加傾向にある。日本山岳・スポーツクライミング協会(東京)によると、今年3月時点の全国のジム数は約480カ所で、5年間で約2倍に増えた。愛好者は60万人と推計される。
 神奈川県逗子市から金華山を訪れた愛好家の石田哲也さん(58)は「関東近郊などのスポットはクライマーでいっぱい。誰もいない場所で登れるのはありがたい」と言う。
 FAJのむらかみみちこ理事長(46)=仙台市青葉区=は「以前は観光客でにぎわっていた金華山は、震災後すっかりさみしくなった。ボルダリングなどを通じて金華山ファンを増やしたい」と意気込む。
 金華山でのクライミングの連絡先はFAJ080(5578)2978。


関連ページ: 宮城 社会

2017年05月30日火曜日


先頭に戻る