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毛糸の「ぽんぽん」愛らしい動物に変身

「手芸の初心者や男性にも作ってもらえてうれしい」と話す黒田さん=仙台市青葉区のマブチファブリックス仙台本店
「動物ぽんぽん」(右)と「犬ぽんぽん」

 毛糸をぐるぐる巻いて作る「ぽんぽん」が愛らしい動物たちに変身する手芸本「動物ぽんぽん」と、犬だけを集めた続編「犬ぽんぽん」が人気だ。著者は手芸作家trikotri(トリコトリ)こと黒田翼さん(35)。仙台市内の手芸店に勤めていた際に得たアイデアを膨らませ、表情豊かな動物たちを生み出した。「動物ぽんぽんが広がり『子どもに作ってあげたんです』と聞くとうれしい」と黒田さんは話す。
 昨年2月に出版された「動物ぽんぽん」は猫やウサギ、鳥など40種余りを紹介。発行部数14万3000部と手芸本としては異例の大ヒットとなり、フランス、台湾、韓国でも翻訳本が出た。柴犬、ポメラニアンなど20犬種以上が登場する「犬ぽんぽん」は今年3月に出版され、既に3刷5万部と好調だ。
 丸いぽんぽんは、毛糸を専用の器具などに巻き付けて真ん中で結び、両端をカットして作る。従来のぽんぽんの手芸はこれに目などのパーツを付ける程度だが、黒田さんの作品はより精巧な表現が特徴だ。
 巻く毛糸の色や位置、回数を変えて模様を描き、はさみで輪郭を形作る。もこもことして、どこかに本当にいそうな表情に心奪われる人は少なくない。
 「リアルさと、ぬいぐるみのようなかわいらしさの間くらいの表現を心掛けています」と黒田さんは説明する。「ぽんぽんは感触などそのままでも魅力があり、模様が現れる瞬間などの作る過程も楽しい」。巻き方の説明図から立体的な動物が仕上がる面白さに、男性がはまるケースもあるという。
 専用の針で毛糸や羊毛を刺して成形する羊毛フェルトの技法を取り入れているのも黒田さんならでは。耳などのほか、続編では犬の鼻の周りにもこの技法を用いた。
 黒田さんは静岡県出身。東京芸術大美術学部絵画科卒業後、20代半ばから仙台で暮らし手芸店に5年半勤務。見本作りやワークショップの講師をする中で、毛糸の巻き方でぽんぽんに模様を出せるのでは、と思い立った。リスなどのぽんぽんのブローチが2015年、ハンドメード作品のコンテストで大賞を受賞。現在は関東と仙台を行き来して創作に励む。
 黒田さんは「作りたいモチーフがいっぱいある。手芸をしない人でも見て楽しめるような本を作っていきたい」と語った。
 いずれも誠文堂新光社刊で「動物ぽんぽん」は1404円、「犬ぽんぽん」は1296円。連絡先は同社03(5805)7285。


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2017年05月31日水曜日


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