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<鉄道よもやま@仙台>車両快適 随所に工夫

JR仙台駅のホームに乗り入れた8100系。昨年3月からは、伊達家発祥の伊達市をPRするアニメ「政宗ダテニクル」のラッピング車両「政宗ブルーライナー」が運行している=5月上旬
荒井車両基地で定期検査を待つ2000系。先頭車両に輝く三日月は、全15編成中14編成が銀色で、1編成のみ金色になっている=5月中旬、仙台市若林区荒井
2014年3月のダイヤ改正で秋田新幹線から姿を消したE3系(左)。現在はE5系(右)と連結し、東北新幹線で運行することがある=5月上旬(佐藤茂さん撮影)

 100万都市仙台には、新幹線やJR在来線、仙台市地下鉄などたくさんの鉄道が走り、市民の暮らしを支えています。仙台圏で長年育まれてきた多彩な鉄道文化を掘り起こします。

◎懐かしいセミクロス 進むバリアフリー化

<国鉄時代の最終形>
 仙台圏で長く活躍している電車の代表格に挙げられる車両が、阿武隈急行(伊達市)の8100系だ。乗降口は車体両側に2カ所ずつ。座席は乗降口付近にロングシート、中央部に4人掛けボックスシートを配する国鉄時代末期によく見られたセミクロス型で、昭和の雰囲気が漂う。
 8100系が阿武急に登場したのは1988年。国鉄丸森線を延伸した福島(福島市)−槻木(宮城県柴田町)間54.9キロの全線電化に合わせ新車投入された。全18両9編成が今も運行を続ける。1日2往復はJR仙台駅まで乗り入れている。
 仙台圏内の鉄道車両は現在、通勤通学対応型が主流になっている。駅での乗り降り時間が短くなるよう乗降口は両側に3カ所ずつ、座席はラッシュ時にも多くの人が乗り込めるようロングシートだけの車両も多い。阿武急は、通勤通学客と観光客の双方に快適に利用してもらえるよう開業以来、セミクロス型を変えていない。
 運輸車両課副検修長の丹治浩康さん(40)は「8100系は国鉄時代に積み重ねられた技術の最終形。雨の日もブレーキがよく効き、故障も少ない」と語る。「この古さにして現役で頑張っているのでたくさんの人に乗りに来てもらいたい。この電車に乗ると、電子音ではなく圧縮した空気を使って鳴らす昔ながらの重厚な警笛が聞けますよ」と笑った。

<定員着席促す凹凸>
 仙台市内では、誰でも使いやすいユニバーサルデザインを積極採用した新型車両も快走している。
 市地下鉄東西線の2015年12月開業時にデビューした市交通局の2000系。全車両に車いすスペースがあり、乗降口とホームの段差はほとんどない。ロングシートの座席には1人分の広さを示す凹凸が施され、定員着席を促している。
 整備費を下げるなどの狙いから車体が南北線1000N系より一回り小さく、車内は圧迫感を和らげる多くの工夫がある。網棚を小さくして開放感を出し、座席下に手荷物を置ける空間を確保。車両連結部の扉や壁をガラス板にし見通しを良くした。
 開業から1年半。交通局は東西線事業が評価され、昨年10月に日本鉄道賞(事務局・国土交通省鉄道局)の「利用者とのバリアフリー」特別賞を受賞した。車両課の矢吹大智さん(34)は「市民の足として少しずつ定着してきたと感じる。今後、沿線の発展とともにもっと多くの人に利用してもらえたら」と願う。

【おすすめ撮影スポット】

◎眼下に新幹線の珍編成/アエル31階の展望テラス(青葉区)

 地上約127メートル。青葉区のアエル31階の展望テラスから、JR仙台駅を行き来する東北、秋田両新幹線や東北、仙山両線の車両を眺めることができる。
 「ここからは、北東方向へ延びる線路が一望できる。今は明るい色の車体が増えたので、走行する車両を目で追い掛けやすいですね」。応援団の一人、太白区の会社員佐藤茂さん(59)がカメラを構えながら言う。
 佐藤さんが薦める撮影時期は、臨時列車が多い繁忙期。初代の秋田新幹線「こまち」として親しまれたE3系と、東北新幹線「はやぶさ」などでおなじみのE5系が連結し、東北新幹線「はやて」として運行するなど「珍編成」にお目に掛かれることがあるという。
 「近年は新旧の車両を入れ替えるペースが早いような気がする。消えゆく車両を写真で記録しておきたい」と佐藤さんは語る。
 展望テラスは午前10時から午後8時開館。無料。元日のみ休館。連絡先はアエルを管理するクロップス022(724)1111。
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 宮城県内の鉄道ファンでつくる「みちのく鉄道応援団」(仙台市)の会員5人が、車両のお薦め撮影スポットを案内する。


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2017年06月01日木曜日


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