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AADC欠損症に光 患者と医師の10年を映画化

母親の瑠美子さん(右端)と佳汰さん(右から2人目)、亜美さん(中央)を支える病院スタッフ(タキオンジャパン提供)

 生まれつき運動神経をつかさどる酵素を持たない希少難病「AADC欠損症」を発症した南陽市のきょうだいら、病と闘う患者と医師の姿を追ったドキュメンタリー映画「奇跡の子どもたち」が4日、山形市のフォーラム山形で先行上映される。製作した映像プロデューサーの稲塚秀孝さん(東京都)は「取材過程で治療法が見つかり、幸い快方に向かっている。難病の子どもと家族の希望になることを願っている」と話している。
 映画は、南陽市の松林佳汰さん(17)と亜美さん(14)のきょうだいと、東京都江東区の山田慧さん(20)の患者3人の10年間の記録と家族、医療スタッフのインタビューで構成される。
 稲塚さんは2007年に取材を開始。慧さんの父親で、ライターの直樹さん(60)から、慧さんがAADC欠損症だと聞いたのがきっかけだった。当時、国内の患者は3人だけで「記録を残し、少しでも病気への認知度を高めることが目的だった」と振り返る。
 患者を支える家族の愛情や葛藤、医療スタッフの情熱を丹念に取材する中で、パーキンソン病の治療薬がAADC欠損症にも効果があることが分かってきた。
 3人は15年、脳内に治療薬を注入する手術を受け、ほぼ寝たきりの状態から劇的に回復しつつある。特に亜美さんは、歩行器を使って歩けるまでに症状が軽快しているという。
 上映終了後、きょうだいの母親の松林瑠美子さん(40)と稲塚さん、ナレーションと挿入歌を担当した歌手加藤登紀子さんが舞台あいさつする。
 上映会は山形市のフォーラム山形で、午前10時スタート。当日券1500円。本格上映は7月1日から、フォーラム山形を皮切りに順次スタートする。

[AADC欠損症]ドーパミンやセロトニンなど神経伝達物質の合成に必要な酵素を作ることができない病。厚生労働省が「芳香族(ほうこうぞく)L−アミノ酸脱炭酸酵素欠損症」の名称で難病指定している。首が据わらず、眼球が上を向く発作や手足の硬直が特徴で、生涯寝たきり生活を送る患者もいるという。現在、国内で確認されている患者は6人。世界でも100人程度しか確認されていない。


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2017年06月03日土曜日


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