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<ランプの宿>被災後再開5年目 続く手探り

灯油ランプに火をともす三浦さん

 14日で発生から9年となる岩手・宮城内陸地震と東日本大震災で被災した湯浜温泉三浦旅館(宮城県栗原市花山)が今年、本格営業の再開から5年目を迎えた。「山あいのランプの宿」の名で知られる秘湯だが、長期間の休業で常連客の足は遠のき、依然厳しい経営が続く。4代目主人三浦治さん(62)は「宿の魅力を再発信し、活路を見いだしたい」と力を込める。
 三浦旅館は栗駒山の麓にある1876年開業の老舗。電気や携帯電話の電波が通じず、夜になると灯油ランプと星明かりが客室内を照らす。独特の雰囲気が口コミで広がり、かつては首都圏を中心に年間1000人程度が訪れていた。
 だが2008年の地震で源泉が枯渇。翌年に採掘したが、11年の大震災で再び湯が枯れた。ボーリング工事を経て13年に豪雪期を除く4〜11月のフル営業を再開したが、客数は毎年3分の1程度で推移している。
 東京電力福島第1原発事故の風評被害が根強い。人気だった山菜は放射性濃度が低い地域から仕入れ、川魚は養殖物を使っているが、敬遠する人が後を絶たない。近隣の温泉宿が地震で相次いで廃業し、周遊できなくなったことも響いている。
 明るい話題を発信しようと、5月21日の栗駒山の山開きでは、三浦さんの知人有志らが栗駒山ゆかりの神社の神体をかたどったわら製の馬を担いでコースを案内。今後は顧客が多い仙台圏への売り込みを図るほか、フェイスブック(FB)でのPRにも力を入れる。
 三浦さんは「癒やしを求めて訪れたお客さんの評価は高い。ランプの宿ならではの売りを改めて前面に打ち出し、以前の活気を取り戻したい」と話す。
 宿泊は平日8650円、金、土曜と祝日の前日、繁忙期は9650円。日帰り入浴は500円。連絡先は衛星携帯電話090(8925)0204。


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2017年06月04日日曜日


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