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<里浜写景>ウミネコ守る小さな明かり

営巣中のウミネコがひしめく頂上付近の蕪嶋神社境内。夜も巡回してくれる監視員に、ウミネコも安心し切った様子

 夕闇が迫っても、3万羽を超えるウミネコの大合唱はやまない。海抜17メートルの蕪島(八戸市)の頂上に間もなく、小さな明かり。監視員の懐中電灯だった。
 その光がネコの目に反射したらしい。「いたぞ」と走り出し、素早く持参の花火に点火。パーンと乾いた音がして、暗闇の中にネコは消えた。
 周囲800メートルの島ではウミネコが子育て真っ最中。ネコやキツネから守るために、監視員は緊張してウミネコの鳴き声に聞き入る。危険を察知すると「ミャーミャー」でなく「クックックッ」になるという。
 夜警明けの朝。巣を一つ一つのぞき込み、卵の数をチェックしていく。親鳥の下では、生まれたてのひながぬくぬくしていた。
 「何度見てもかわいい。疲れをすっかり忘れさせてくれます」。監視員の吉田勝鴻(かつひろ)さん(74)の表情からいつしか緊張が解けて、笑みがあふれていた。
(文と写真 写真部・鹿野智裕)

「メモ]ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている蕪島には、6人の監視員がいる。繁殖期の毎年4月1日から8月8日まで二交代で終日、警戒や清掃、天候の記録に当たっている。蕪嶋神社は2015年の火災で社殿が全焼し、現在再建中。


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2017年06月04日日曜日


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