岩手のニュース

玉入れブーム 岩手の被災地から熊本へ

和気あいあいと玉入れタイムレースで交流する災害公営住宅の入居者

 東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の市民が「玉入れタイムレース」に熱中している。運動不足を解消できるし、何より一体感が生まれると評判が拡大。当初、陸前高田限定だった玉入れブームは、熊本地震の被災地にも広がる勢いだ。
 陸前高田市の災害公営住宅「岩手県営栃ケ沢アパート」で5月末、年配の入居者ら約30人が集会所近くの敷地で玉入れに興じていた。
 3チームに分かれ、リレーで3メートルの距離を順番に往復しながら、高さ2.15メートルの籠に計30個を入れ終えるまでのタイムを競う。一投一投に笑いや拍手が湧き起こる。
 参加した菅野礼子さん(68)は「玉入れは孫の運動会以来。単純なゲームなのに、こんなに楽しいんですね」。額に汗を浮かべて皆、笑顔だ。
 ルールを考案したのは地元のNPO法人「総合型りくぜんたかた」。津波で体育館や広場が被災する中、市民に運動の機会を提供しようと、場所も取らず老若男女誰でもできる玉入れに着目した。2013年から用具持参で仮設住宅団地を回り始めた。
 福祉施設や保育所、災害公営住宅のほか、市民が集うスーパーマーケットなどでも開催。これまでに延べ約440チーム、約2400人が参加した。玉入れの常連という事業者は「従業員に共通の話題ができ、職場の結束力が高まった」と話す。
 りくぜんたかたは昨年、熊本地震の被災地を訪れてルールを紹介するなど普及活動を展開。熊本県では地域のスポーツクラブが音頭を取り、仮設住宅などで気軽に楽しんでいるという。
 りくぜんたかたの戸羽理智サブマネジャーは「いつか陸前高田で全国大会が開催できたらいいですね」と被災地同士の交流に思いをはせた。


関連ページ: 岩手 社会

2017年06月04日日曜日


先頭に戻る