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<銀行カードローン>止まらぬ融資 増える破産

 銀行が無担保で貸し付けるカードローンの過剰融資が、東北でも問題になっている。利率が10%を超えるにもかかわらず、消費者金融のような貸し出し規制がない。銀行が2012年ごろから、超低金利時代の希少な収益源として盛んに融資した結果、多重債務を抱え自己破産する利用者が増えた。貸出残高は伸び続けて破産の拡大が懸念され、東北の銀行も対応に迫られている。
 宮城県内の50代の女性は年収200万円で生活が苦しく、銀行カードローンを繰り返し利用した。借金が250万円に膨らみ、16年10月に自己破産を申し立てた。

<「隙間狙う」>
 生活困窮者の債務問題に取り組む「みやぎ青葉の会」(仙台市)の会長佐藤靖祥弁護士は「以前は多重債務の大半が消費者金融からの借金だったが、最近はほとんどが銀行カードローン。利用者はまだ多く、自己破産の申し立てはさらに増えるだろう」とみる。
 10年6月の改正貸金業法の完全施行が最大の契機だった。消費者金融からの借り入れを原則年収の3分の1以下に制限する「総量規制」が導入された。消費者金融の破綻も相次いだ。
 銀行カードローンは総量規制の対象外で、各行は「消費者金融が去った市場の隙間を狙うように」(佐藤弁護士)売り込みを強化した。東北のある銀行関係者は「利率の多くが10%以上。利ざやで収益を出せる貴重な分野」と明かす。
 別の銀行の担当者によると、銀行は提携する信用保証会社の審査に基づき貸し出しを判断。返済がなければ保証会社が返済するため銀行は損をしないという。

<5兆円超す>
 日銀による全国の銀行カードローン貸出残高と、最高裁がまとめた自己破産申立件数の推移はグラフの通り。消費者金融への総量規制が始まった翌年の11年末の貸出残高は3兆2400億円だったが、12年以降は年間5000億円前後のペースで増え、16年末に5兆4377億円に達した。破産申立件数は10年から減ったが、勢いは次第に鈍り、16年には増加に転じた。
 日弁連は、銀行カードローンも総量規制の対象とするよう要請。全国銀行協会は今年3月、審査の厳格化を求め、東北の各行も対応を検討している。
 5月の決算記者会見で、仙台銀行の鈴木隆頭取は「全銀協の指針を踏まえ適正化、是正を図る」と強調。七十七銀行の氏家照彦頭取も「広報や営業のやり方に注意する」と語った。


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2017年06月04日日曜日


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