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<銀行カードローン>「銀行だから安心」裏目に

東北の主な銀行が作ったカードローンを紹介するパンフレット。表現を見直す銀行も出ている

 新たな多重債務の温床が浮かび上がった。過剰融資が繰り返された銀行カードローン。利率が高く、営業成績が上がるため、行員は積極的に売り込み、利用者は「銀行だから安心」と申し込んだ。規制強化後の消費者金融の「代役」を担っているとの指摘もあり、債務者の支援団体は銀行への規制を求めている。
 「収入説明書不要! 契約書への押印不要!」
 「アルバイト、専業主婦の方もご利用OK!」
 「複数のお借入のおまとめにも便利!」
 東北各地の地銀、都銀の店内や現金自動預払機(ATM)には、気軽に融資を誘う銀行カードローンのパンフレットが何枚も置かれている。2016年10月に自己破産を申し立てた宮城県内の50代女性も、こうしたパンフレットの文言と銀行の信用性にひかれた。
 女性は離婚して長男と2人暮らし。パートによる年収は約200万円だった。
 「生活が苦しくても消費者金融には抵抗があり、借金はしなかった。でも銀行ならば安心だろう」
 借り入れを始めると、クレジットカードで買い物し、カードローンで返済するサイクルに陥った。地元や隣県の銀行、信用金庫のカードローンを使い、借金は250万円に膨らんだ。
 高校卒業後に働いた長男の収入も返済に充てるようになり、弁護士に相談した。
 女性は「ローン返済が苦しくなり、無理だと思いつつ同じ銀行に再び融資を申し込んだら認められた。感覚がまひした」と話す。
 過剰融資の背景について東北のある銀行関係者は「顧客の事情を十分に聞き取らなくてもいいので、経験の浅い新入行員でも簡単に契約が取れた。顧客も喜び、営業成績が上がった」と明かす。
 銀行カードローンの審査は信用保証会社だけではなく、消費者金融も当たる。利用者が返済できない場合、銀行の代わりに取り立てることも多い。
 日弁連によると、大手消費者金融は10年の改正貸金業法の完全施行によって総量規制が適用された後、銀行カードローンの審査が含まれる保証事業残高が伸び続け、無担保の貸付残高を上回る規模になった。
 日弁連は意見書で「貸金業者が総量規制で貸し付けできない顧客に対し、銀行の保証をして過剰な融資が行われているならば、改正貸金業法の趣旨が没却する」と指摘。「みやぎ青葉の会」(仙台市)の会長佐藤靖祥弁護士は「銀行の自主性に任せた広告制限や審査の厳格化では限界がある。法律による貸し付け規制が必要だ」と訴える。


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2017年06月04日日曜日


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