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<CSR>「魅力的」も就職先選びで重視せず

 東日本大震災の被災地支援で、CSR(企業の社会的責任)活動を積極的に展開する企業を魅力的に感じる若者は9割に上ることが、河北新報社が東北大経済学部の学生を対象に行った意識調査で分かった。一方、就職先を選択する判断の決め手としてCSRの取り組みを挙げた学生は5%未満にとどまり、シビアな一面も浮かび上がった。
 被災地支援に関わる企業を魅力的に感じるかとの質問で「とても思う」は45.7%、「やや思う」が45.9%。復興支援は若年層の良好な企業イメージにつながっていた。
 就職先を選ぶ際、CSRの姿勢として重視する視点を寄付やボランティア活動といった「社会貢献活動」、環境問題や人権問題など「本業を通じた社会課題の解決」「法令順守(コンプライアンス)」の3点で聞いた(棒グラフ)。
 「とても重視する」「やや重視する」と答えた学生は、「社会貢献活動」が56.8%、「社会課題の解決」76.2%、「コンプライアンス」92.2%だった。
 コンプライアンスが最も高かったのは、食品偽装やリコール隠しといった企業の存立を揺るがした不祥事が背景にあるとみられる。
 ただ、実際に就職先を選ぶ段階で最重視するのは「仕事の面白さ」(26.1%)「能力を生かせるか」(24.9%)が上位を占めた。CSRの取り組みは4.8%と優先度が低かった。
 「CSR」という言葉を「知っている」と答えた学生は64.6%。CSRに対する考え方を複数回答で聞いたところ、「企業は本業を通じ、社会課題を解決すべきだ」(50.9%)「CSRを軽視する企業は存続できない」(45.7%)が目立った。
 「社会人になったら社会貢献をしたいか」との質問に対する回答は円グラフの通り。大半が意欲を示したが、「する予定がある」は12.0%。「勤務先が積極的に奨励するなら」との条件付きが45.8%と最も多く、社会貢献活動への意欲を行動に結び付ける役割を企業に求める傾向がうかがえた。
 調査に協力した高浦康有(やすなり)東北大経済学部准教授(企業倫理、CSR)は「若者は復興支援活動に好感を持つ一方、主体的に動こうとは思っていない。粛々と本業を通じて間接的に地域に貢献した方がいいと考えているようだ」と話した。

 [調査の方法] 河北新報社が4月24日〜5月17日、東北大経済学部の高浦康有、西出優子両准教授、同学部のゼミ代表によるゼミナール協議会の協力を得て、463人から回答を得た。構成は男75.8%、女24.0%(無回答1人)。2年25.6%、3年44.8%、4年28.3%、その他1.3%。出身高校の所在地は宮城21.0%、福島7.7%、山形5.7%など。


2017年06月05日月曜日


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