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<Eカルテ>山村宏樹/「快走」支える投手陣

山村宏樹さん

 東北楽天が首位を走っている。開幕前の順位予想は4位前後だったから大きな驚きだ。圧倒的な攻撃力が注目されるが、投手陣が頑張っていることが一番大きいと思う。

<岸の加入でゆとり>
 試合序盤から一方的に打たれ「今日は白旗」という試合がほとんどない。先発では則本、岸はもちろんだが、美馬、辛島が良く投げている。
 美馬は昨年は球数70〜80あたりでガタンと球速が落ち、制球にばらつきが出ていた。今年は力を入れたり抜いたりした投球ができ、投球回数が伸びている。右打者の内角に飛び込むいいシュートを投げ、外角のスライダーの制球も良いので、相手が嫌がり早打ちになり、球数も減っている。おととし手術した右肘の不安もないようだ。
 辛島は5月30日の巨人戦は三回を終えて降板したが、今年は本当にいい。球が浮かなくなり、低めに変化球が集まっている。「外角のスライダーが良くなった」と本人も言っていた。球速はそれほどないが、緩急を使った持ち味が出せている。
 2人に共通して言えるのは、梨田監督の投手交代が早いのが生きていることだ。へとへとにならず、余力を残して110球前後で降板させるので、次の登板に向けた準備がしやすい。美馬の6勝1敗、辛島の5勝2敗の好成績につながっている。
 則本は7勝1敗と期待以上の活躍だ。連続2桁奪三振の記録もすごい。しかし、本来ならこれぐらいは投げられる投手。やはり岸が加入したことで「俺が勝たなきゃ」という心理面の負担が減り、ゆとりがあるのだと思う。
 田中(ヤンキース)も岩隈(マリナーズ)が抜けた2012年は良くなかったが、13年は則本が入って24勝を挙げた。則本も田中が抜けた14年以降はきつくなったが、今年岸が入って良くなっている。やはり柱が2本いると違う。
 中継ぎでは七回を森原が安定して投げている効果が大きい。

<藤平に1軍経験を>
 一つは美馬、辛島ら先発陣が「六回までゲームをつくれば、あとはつないでくれる」と楽な気持ちで投げられること。
 もう一つは福山をオールマイティーに使えることだ。八、九回はハーマン、松井裕がいるので、六回だったりピンチの場面だったりどこでも行ける。器用だし、梨田監督にとって信頼できる投手だ。
 これから暑くなり、離脱者も出るだろう。今後に向けては先発、救援を含め、ファームにいる投手陣がしっかり準備することが大事。ベテラン青山や金刃ら、経験豊富な投手が頼りになる場面は絶対に出てくる。
 個人的には、すごく良いと聞いている新人藤平に1軍のマウンドを経験してほしい。首位にいるときと消化試合で投げるのでは、球場の雰囲気から全てが違う。藤平に今年のいい順位のときに経験を積ませるのは、何事にも代えがたく、チームの財産になる。


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2017年06月06日火曜日


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