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献体登録 震災後に急増

東北大白菊会設立40周年記念式典で、愛唱歌を歌う会員たち=5月23日、仙台国際センター

 東北大(仙台市青葉区)医学部、歯学部の解剖学実習のため、遺体を無償提供する「献体」を申し出た人たちでつくる「東北大白菊会」の2016年度の現会員数は2132人で、初めて2000人を超えた。本年度で結成40周年を迎えた白菊会会員の献体先は、昨春に開学した東北医科薬科大(同)が加わり、東北の医学、歯学教育の充実に貢献している。

 新規入会者数の推移はグラフの通り。臓器移植法が施行された1997年度に伸び、東日本大震災の翌年度以降も急増した。16年度は300人を超えた。
 高崎晞(あきら)理事長は「献体の趣旨への理解が進んだほか、震災で死を身近に感じて死後を考え直す人が増えたためではないか」と推測する。
 篤志解剖全国連合会(東京)によると、全国でも献体希望者は増加傾向にあり、遺体を処置する人手や費用が足りず、献体登録に制限を設ける大学もある。
 増加の背景には人生の最期を自分で準備する「終活」への関心の高まりや、「大学の納骨堂に入りたい」「死後、身内に迷惑を掛けたくない」といった事情もあるとみられる。
 医学部などで必修とされる解剖学実習はかつて、身元が分からず、引き取り手のない遺体が使われていた。献体が全国に広がったのは、55年に東大で篤志家団体が設立されたのがきっかけ。東北大白菊会は、同団体の仙台支部を母体として77年7月に発足した。
 泉区の女性(83)は今年1月末、会員だった夫(90)を自宅でみとり、献体した。遺骨が戻る数年後に身内でしのぶ会を開く予定だという。「会には遺体を手厚く扱ってもらい、きちんとお別れできた。感謝している」と語る。
 東北大白菊会は、献体先が2大学となったことから会員を継続募集している。資格は60歳以上の宮城県内在住者で、2人以上の家族か親族の同意が必要。棺、火葬費用などは大学が負担する。連絡先は同会事務局022(717)8023。


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2017年06月07日水曜日


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