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<日本政策金融公庫>復興へ起業・創業支援

黒田篤郎(くろだ・あつお)東大卒。82年通商産業省(現経済産業省)入省。14年製造産業局長。15年日本公庫専務。57歳。東京都出身。

 日本政策金融公庫(東京)の黒田篤郎専務は、仙台市内で河北新報社の取材に応じた。東日本大震災で被災した企業について「再建途上にあり、融資のニーズは依然高い」と述べ、政府系金融機関の特性を生かした幅広い支援を続ける考えを示した。(聞き手は報道部・田柳暁)

◎黒田篤郎専務に聞く/被災企業融資ニーズ高い

 −被災地の現状をどう見るか。
 「名取市閖上地区を訪れたり、取引先の工場を見学したりした。インフラの整備は進んだが、まだ再生していない地域も多い。復興の進展に差を感じる。阪神大震災に比べ再建のスピードは遅いという印象だ」

 −震災後、被災企業向けに低利、長期間の特別貸付制度を設けた。
 「東北での融資は2011年度は2417件、16年度は898件。減ってはいるが、時間が過ぎても再建の意欲がある経営者は少なくない。かさ上げ工事を待っていた企業もある。被災地の経済を支える企業を応援したい」

 −震災の教訓を生かす取り組みは。
 「宮城県内の被災企業31社が、震災を通じて得た教訓をまとめた寄稿集を発行した。経営者らが震災発生直後の行動や、当時の苦悩と覚悟を生々しくつづった。今後の備えに生きる内容ばかりだ。全国の支店を通じて教訓を発信したい」

 −今後の支援で重視することは。
 「成長性がある起業・創業や海外展開、事業再生に力を入れる。直近では電子部品に使う銅ペーストを研究する東北大発のベンチャー企業や、タイに進出した超精密金型の製造業者に融資した」
 「民間の金融機関は、目立った実績がないベンチャー企業に手が出しにくい。保証人不要の融資も手掛けている。政府系の金融機関であり、ある程度のリスクがある融資も手掛けられる。民間の金融機関と互いに補完する関係でありたい」

 


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2017年06月08日木曜日


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