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<退位特例法成立>被災地 感謝といたわりの声

テナント型商業施設「シーパルピア女川」で集まった人たちに手を振る両陛下=昨年3月17日、女川町

 東日本大震災の被災地に心を寄せる天皇皇后両陛下の姿は、復興へ歩む人たちに勇気や希望を届けた。「高齢で体調が心配だった」「穏やかにお過ごしください」。退位特例法が成立した9日、宮城県内の被災地でも感謝といたわりの声が広がった。
 「一番不安だった時、温かい言葉に救われた」
 仙台市宮城野区中野の自宅が津波で被災した無職下山栄子さん(73)。2011年4月27日、避難先の宮城野体育館を両陛下が訪問した。
 「お体いかがですか」。膝をつき、両手で下山さんの手を握る皇后さま。感激で言葉も出ず、ただ涙が流れた。「全国の被災地に出向き、大変だったろう。これからは穏やかに過ごしてほしい」と願う。
 山元町の岩佐国男さん(75)は、みやぎ亘理農協組合長だった11年12月、関係者と皇居を訪れ、地元の被災農家が栽培したイチゴを両陛下に届けた。「力を合わせて大変な状況を乗り越えてください」という陛下の言葉に、「東北一のイチゴ産地を復興させようと、大きな励みになった」。
 14年7月、両陛下が南三陸町を訪問した当時、「南三陸さんさん商店街」は仮設だった。組合長の阿部忠彦さん(55)は、地元の工場が作ったかばんを持参した皇后さまの細やかな気遣いを忘れられない。「できれば再建した商店街にもう一度、足を運んでほしい」
 気仙沼漁協組合長の佐藤亮輔さん(75)は同じ14年7月、気仙沼市で案内役を務めた。魚市場の展望デッキから水揚げ作業をする人々に手を振る姿に「一人一人の目を見て、うなずいていた。心遣いに感激した」と懐かしむ。
 岩沼市に整備中の「千年希望の丘」を視察したのは15年3月。両陛下はにこやかな表情で、植樹された丘を眺めたという。菊地啓夫市長は「少しでも長く公務を続けていただきたいが、お体も大事だ」と案じる。
 「『大変でしたね』と言葉を頂いた。柔和な雰囲気だった」と語る女川町の衣料品店「MARUSAN」代表の高橋敏浩さん(40)。昨年3月、女川を訪れた両陛下は限られた時間の中で多くの町民と言葉を交わした。高橋さんは「分単位のスケジュールは大変だと思う。自由な時間を楽しんでほしい」と話す。


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2017年06月10日土曜日


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