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高田小跡地案を一転可決 被災の市庁舎再建

 東日本大震災で全壊した市庁舎の再建場所を巡り、岩手県陸前高田市議会は9日に開会した6月定例会で、3月定例会で否決した現高田小の跡地に新築するための改正条例案を一転して可決した。賛成に転じた議員は、ほかに選択肢がないことや復興財源の時間的制約を理由に挙げた。
 地方自治法に基づく特別多数議決案件で、可決には出席者の3分の2以上の賛成が必要。起立採決で、議員17人のうち賛成14人、反対3人だった。前回の採決から4人が賛成に回った。
 前回否決後、市は候補地の一つに挙げた高台の現仮設庁舎に関し、駐車場が確保できないなどの理由で実現困難と強調。津波浸水区域内にある高田小の敷地を海抜17メートルまで最大5メートルかさ上げし、地上7階とするなどの修正案を示していた。
 採決前の討論で、賛成に転じた議員の一人は「どんな災害が起きても想定外とならないようにしなければならない。高台に建設するより、はるかに険しい道だ」と強調。一方、再び反対した議員は「ハードだけでなく、どんな新しい市役所にするかソフト面を市民に示すべきだ」と主張した。
 市は今後、市議会や住民の意見を聞きながら、2019年度早々の着工、20年度までの完成を目指す。
 市内には、利便性やにぎわい創出から中心市街地に近い高田小に賛同する市民がいる一方、防潮堤整備、かさ上げなどをしても津波浸水区域内への建設自体を不安視する市民がいる。
 戸羽太市長は閉会後、「懸念されているところを少しでも払拭(ふっしょく)できるよう議論していきたい」と述べた。


2017年06月10日土曜日


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