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<宮城知事選>人口戻らぬ沿岸 予測と乖離

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県沿岸部の自治体で、国勢調査に基づく2015年の将来人口推計に対し、実際の数値が大きく下回っていることが10日、仙台市内であった日本人口学会のシンポジウムで報告された。復興事業の遅れが乖離(かいり)を招いた主な要因で、流出した住民が想定ほど戻っていない実態が浮き彫りになった。
 シンポは青葉区の東北大青葉山北キャンパスを会場に、人口問題の専門家らが震災後の人口推移や、過去の災害後の人口などをテーマに議論。国立社会保障・人口問題研究所(東京)人口構造研究部の小池司朗第二室長は、13年3月に公表した10年調査に基づく15年の推計値と、15年調査の結果について説明した。
 岩手、宮城、福島3県と主な市町の15年推計と人口は=表=の通り。南三陸(19.86%)、女川(15.20%)、山元(5.30%)の3町で下落幅の乖離が際立って大きかった。
 小池氏は「町外に流出した住民が想定ほど戻っていない」と社会減が進んだ状況を説明。仙台市の人口は推計値以上に増えており、予測を超えた一極集中を示す結果となっている。
 一方、岩手は宮古、陸前高田、釜石各市など、推計値より人口減少が緩やかな市町が多かった。小池氏は「復興策が功を奏しているのではないか。(建設作業員ら)一時的な人口流入もある」との見方を示した。
 各専門家は「他地域からの移住を促進するだけでは短期的な効果しか生まない」「地域の実情に応じた少子化対策が重要」などと指摘。人口減を緩和するため、子育て環境の整備を進めて出生数を回復する必要性について意見が出た。


2017年06月11日日曜日


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