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日本家屋の美惜しむ 道路整備で取り壊しへ

取り壊しを決めた主屋を眺める門間さん

 国登録有形文化財の門間箪笥(たんす)店(仙台市若林区南鍛冶町)の旧主屋や工房が、市の都市計画道路整備工事に伴い取り壊されることになった。近代歴史資産の愛好家からは惜しむ声が上がっている。
 取り壊されるのは、主屋、板倉、指し物工房、塗り工房の計4棟で、1928(昭和3)〜35(同10)年にかけての建築。特に主屋は寄せ木造りの複雑な構造の屋根が特長。内部も吟味された部材と木工技術を駆使した建具、繊細な欄間などが日本家屋の美を体現している。
 2002年3月に国登録有形文化財となり、11年3月の東日本大震災では大規模半壊の認定を受けた。現在も骨組みにゆがみが残る。
 同社専務の門間一泰(かずひろ)さんは、計画が本格化した約10年前から保存の方策を模索してきた。現在地内での曳家(ひきや)は敷地上の制約から断念。他への移築も土地の購入や維持費など費用面から無理と判断した。
 門間さんら家族は現在、市内のマンションなどで生活している。解体終了後、計画から除外された残りの敷地に店舗と工房を新築する計画だ。
 建物の取り壊しは、13日に始まる予定。門間さんは「3代目の曽祖父が事業成功の証しとして建てた家。残す手だてを考えたが難しかった」と説明する。登録文化財のうち稲荷社は残し、一部建具、梁(はり)は新店舗に再利用する方針だ。
 市民対象の街歩きを開催する近代仙台研究会の斎藤広通事務局長は「地域のシンボル的な建物で風情ある姿が魅力的だった。なくなるのは寂しい」と話す。斎藤さんらは、12日午後1時から現地視察会を開催する。連絡先は090(4633)9570。

[国登録有形文化財]おおむね近代以降に制作された建築・美術工芸で、特に保存が必要と認められ、文化財登録原簿に登録された文化財建造物などを指す。登録制度は所有者からの届け出を基に、行政機関が指導・助言などを行うことで緩やかに保護措置を講じる仕組みで、1996年に誕生した。従来の指定制度を補完する。


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2017年06月11日日曜日


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