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<宮古市長選>交通網 復興後どう生かす

宮古港に就航予定の川崎近海汽船(東京)のカーフェリー「シルバークイーン号」

 任期満了に伴う岩手県宮古市長選(25日投開票)は、18日の告示まで1週間となった。東日本大震災からの復興に向け「道路」「海路」「鉄路」の整備が進む宮古市。充実の交通インフラを、いかにして市勢回復に結び付けるのか。現状と課題を探った。

 2010年に5万9430人だった人口は、震災を経て5000人近く減少。岩手県は、復興事業が終われば復興作業員1800人がいなくなると推計する。
 一方で三陸沿岸道路(仙台−八戸、359キロ)と宮古盛岡横断道路(100キロ)は、宮古を結節点にして急ピッチで整備が進む。この機を捉えて18年6月には、岩手初のカーフェリー航路が宮古−室蘭(北海道室蘭市)間に開かれる。
 震災で被災したJR山田線(宮古−釜石間)も18年度中に全線復旧。同時に第三セクター三陸鉄道に経営移管し、久慈市から大船渡市まで岩手沿岸を1本のレールで縦走する鉄路(総延長163キロ)が生まれる。
 人口減少と交通網整備。宮古商工会議所の花坂康太郎会頭は「この状況では交流人口を増やすしかない。復興の先を見据えて交通網をどう地域づくりに生かすかが重要だ」と強調する。
 産業界の期待を背に、市はフェリー就航を念頭に内陸部の企業へのポートセールスを展開中だ。宮古駅南側では市庁舎と交流拠点施設を一体で整備。三陸鉄道の新駅建設計画もあり「交通結節都市」を意識したまちづくりを進める。
 ただ、交通の利便性向上には常に「素通り」の懸念が付きまとう。
 田老地区に整備中の道の駅「たろう」は、地元漁協との連携を前面に押し出す戦略だ。「魅力的なまちづくりができなければ、結局まちは衰退してしまう」と前田宏紀田老町漁協参事の危機感は大きい。
 市長選には、いずれも無所属で3選を目指す現職山本正徳氏(61)と新人で元市議内舘勝則氏(61)が立候補を表明。ともに新たな交通網を活用した「産業立市」を重要政策に掲げる。
 山本氏は着実な交通網整備を強調し「若者の起業なども応援する。環境を整えるのでどんどんアイデアを出してほしい」と主張。内舘氏は「行財政の選択と集中をきっちりとやっていく」と述べ、フェリー就航や企業誘致に向けた特命部署の設立を訴える。
 1日現在の有権者は4万7526人。


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2017年06月11日日曜日


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