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杯交わし まち再生誓う 名物居酒屋復活

開店を祝って駆け付けたなじみ客でにぎわう店内

 東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の名物居酒屋「俺っ家(ち)」が13日、6年3カ月ぶりに営業を再開した。駆け付けた常連客は、経営者の熊谷浩昭さん(57)を囲んで再会を喜び合い、まちの再生を誓った。
 夕闇近づく午後5時、熊谷さんがのれんを提げると、営業再開を待っていた人たちが集まり始めた。客席は60。壁に大漁旗を掲げ、テーブルにはこの日の朝に採れた新鮮な貝や魚が並んだ。
 震災前から家族で利用していた主婦の戸羽恵さん(40)は「熊谷さんの人柄や料理が魅力の店。本当に待っていました、という思い。ほかの店も開店して地域がもっとにぎわってほしい」と笑顔で話した。
 「俺っ家」は、大規模造成でかさ上げされた新市街地に新築。4月に開業した商業施設「アバッセたかた」の向かい側に位置し、独立した個人店舗としては最も早い営業開始となった。
 震災の津波で店舗と自宅を流失した熊谷さん。古里で再び商売ができる日を信じ、盛岡市に引っ越して仮店舗を切り盛りしてきた。熊谷さんは今「酒を飲んで笑い合える、懐かしくてほっとする場所が戻ってきたと感じてほしい」と話す。
 新市街地で「俺っ家」に続く店舗や事業所が営業を始めるのは、8月中〜下旬になりそうだ。
 まちは昔の面影を失い、「土地勘もなくなった」と語る熊谷さん。「でも、それでもいい。仲間と一緒に新しいまちをつくる。この場所で踏ん張って生きていく」


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2017年06月14日水曜日


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