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信頼回復へ努力継続 東電福島代表退任

「まだまだやるべきことはたくさんある」と話す石崎代表

◎23日退任 東電福島復興本社・石崎芳行代表に聞く

 東京電力ホールディングス代表執行役副社長の石崎芳行福島復興本社代表(63)は13日、23日の退任を前に河北新報社のインタビューに応じた。「東電は福島の責任を果たすために生かされている」と強調し、今後も福島担当特別顧問として「地域との信頼関係を再構築し、共存共栄を目指したい」と語った。(聞き手は福島総局・阿部真紀)

 −初代代表に就いて4年半。福島復興本社が果たしてきた役割は。
 「事故直後は『東電を絶対許さない』と、怒りや悲しみを直接ぶつけてくる人が多かった。2013年1月の復興本社発足後、関東から多くの社員が被災地を訪れ、民家の草刈りといった復興推進活動を通して住民と触れ合う機会が増え、少しずつ対話ができるようになった」
 「住民からの感謝の言葉はあくまで社員一人一人に対してであり、東電が許されているわけではない。われわれは福島の責任を果たすために生かされている企業。復興推進活動をまだまだ続けなければならないと、社員に常々言っている」

 −信頼回復は進んだか。
 「事故から『もう6年』ではなく『まだ6年』。(1957年に)世界で初めて原子力事故を起こした英国セラフィールドなどを訪問し、そうした思いを強くしている。事業者は良い情報も悪い情報もきちんと伝え、何十年もかけて住民との信頼関係を築いた。時間はかかるが、そうした取り組みを続けない限り信頼は取り戻せない」

 −避難指示解除が進み、復興支援活動のニーズも変わってくる。
 「東電も復興の仲間に入れてやろうという雰囲気が住民の中に少しずつ出てきた。帰還したお年寄りが作った農産物の販路確保など、地域の実情に合わせてわれわれが新たにやるべきことも出てくる」
 「廃炉作業は30〜40年かかるとされるが、まちづくりはもっと時間を要する。私自身も人脈を生かし、福島の復興に関わってくれる県内外の人々との橋渡し役になりたい。信頼を回復し、地域との共存共栄関係を築きたい」

 −特別顧問の役割は。
 「社内の反対を押し切って始めたフェイスブックによる情報発信も続けるし、これまでのように腕章と制服姿も変えない。県内をもっと歩いて皆さんから話を直接聞く。これまで以上に自由な立場で社内に発言していく。新代表との役割分担はまだ決まっていないが、弾力性のある体制でいいと考えている」

[石崎芳行(いしざき・よしゆき)氏]慶大卒。1977年東電入社。福島第2原発所長、常務執行役などを経て、2012年代表執行役副社長。13年1月から現職。東京都出身。


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2017年06月14日水曜日


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