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<大川小訴訟>市・県「マニュアル水準満たす」

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が、市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第3回口頭弁論が14日、仙台高裁であった。市・県側は、市内21の小学校が震災前に作成した避難訓練実施計画などを証拠として提出し、「大川小の危機管理マニュアルは当時の要求水準を満たしていた」と主張した。
 高裁は大川中を含めた22校の震災当時の危機管理マニュアルを提出するよう求めたが、提出された関連資料は一部にとどまった。
 市・県側は「大川小のマニュアルは当時の津波の事前予想を反映した内容で、問題はない」と強調。「あくまで大川小の(海抜や立地条件など個別の)状況に照らし、過失や予見可能性を判断すべきだ」と主張し、他校との比較は意味がないとの見解を示した。
 一方、遺族側は「市教委や校長らはマニュアルを適切な内容に改訂し、津波を想定した避難場所や避難方法の見直しなどをすべき注意義務があった」と改めて反論。学校側の組織的な過失を指摘した。
 遺族側は関連資料の記載内容や各校の実際の避難誘導について分析し、7月19日の次回弁論までに反論する。
 市・県側は閉廷後の取材に、次回までに唯一生還した男性教務主任の書面尋問を請求することを明らかにした。地裁が過失判断の決め手にした3月11日午後3時30分ごろの市広報車の呼び掛けを巡り、校庭で聞こえていたかどうかなどを尋ねる方針。遺族側は書面尋問に難色を示している。
 双方の代理人によると、高裁は閉廷後の非公開協議で、地震発生後の学校の過失の有無について「立証は十分」との認識を示した。控訴審の審理対象は震災前の備えに絞られ、市・県側は今後、学校防災を担当していた市教委職員らの尋問請求を検討する。


2017年06月15日木曜日


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