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<内陸地震9年>渓流釣りイベント復活で活気を

釣り大会会場となる川辺を確認する千葉さん

 岩手・宮城内陸地震と東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県栗原市花山地区で7月9日、渓流釣りイベントが10年ぶりに復活する。土砂崩れに伴う入山規制などで休止していたが、観光振興を通じて過疎が進む集落ににぎわいを取り戻そうと、地元の花山漁協が場所を移して再開する。関係者は「災害で打撃を受けた地域を再興する一手にしたい」と意気込む。

 花山地区は栗駒山の麓にある高齢化率47%超の里山。渓流釣りのポイントとしても知られ、地震前の2007年までは、山あいの一迫川本流に釣った魚の再放流(キャッチ・アンド・リリース)区域を設けたり、釣り大会を開いたりして人気を集めてきた。
 だが、08年の地震で土砂崩れが相次いで発生。現在も入山規制の続く場所がある。釣り環境の変化を嫌う愛好家の足は遠のき、漁協の売り上げは09〜11年、例年の3分の1以下の75万〜90万円に激減した。
 さらに東京電力福島第1原発事故が追い打ちをかけた。一部の川魚から放射性物質の高い値が出て以降、これまで以上に釣り客は花山を敬遠。16年の売り上げは過去最低の53万円に落ち込んだ。
 イベント再開を提案したのは漁協組合長の千葉勝美さん(70)。組合員に「何か新しいことを始めないと現状は変わらない」と危機感を伝えたところ、賛同する意見が相次いだという。
 漁協組合員で市観光物産協会長も務める佐藤倫治さん(66)は「釣り客を呼び戻すことに半ば諦めムードが漂っていただけに、心強かった。地域一丸となって盛り上げたい」と話す。7月9日は入山規制場所から離れた県こもれびの森「森林科学館」前の川辺に養殖イワナを放流し、釣り大会を開催。魚の数や大きさなどを競うコンテストも検討している。
 千葉さんは「このまま諦めていたら、まちは沈んでしまう。地域の宝でもある豊かな自然を体感してもらうことで、人を呼び込んでいきたい」と力を込めた。


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2017年06月15日木曜日


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