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<鉄道よもやま@仙台>地域の「顔」 北仙台駅

夕暮れのラッシュ時を迎えたJR北仙台駅。改札を抜けた人々が家路を急ぐ=5月下旬
自転車を引く市民の姿でにぎわう北仙台駅前=1950〜60年代
柏木さんが捉えたキヤE193系気動車。主にJR東日本管内の非電化区間の線路を検測する。「運が良ければ、こういう車両も撮影できます」

 100万都市仙台には、新幹線やJR在来線、仙台市地下鉄などたくさんの鉄道が走り、市民の暮らしを支えています。仙台圏で長年育まれてきた多彩な鉄道文化を掘り起こします。

◎古い駅舎、都市に歴史的な深み/利用者の記憶に残る

<1929年に創建>
 四方をマンションに囲まれた市街地の一画。洋館のような2段勾配の屋根の下、間口3メートルに満たない小さな玄関口から、改札を抜けた人々が次々と現れては住宅街に消えてゆく。JR仙山線北仙台駅(仙台市青葉区)。いつもの夕暮れ時の光景だ。
 仙台、山形両駅を除き、区間で最多の1日約9000人が利用する。駅舎は1929年の開業時に建てられた。2008年、リニューアルされたが、基本的な木造の骨格や特徴的な屋根の造りは創建時のまま。駅前タクシープール側にあるひさしの支柱など部材も残る。
 駅舎建築に詳しい工学院大建築学部(東京)の大内田史郎准教授(建築史)は「周辺の建物が建て替わる中で存在し続ける古い駅舎は、地域のシンボルとなる場合が多い。都市に歴史的な深みを与え、日々利用者の目に触れることで、記憶にも残り続ける」と、古い駅舎が周辺環境や人々にもたらす「効用」を説く。
 全国に目を向けると、同じ時期に建設された同規模駅舎としては、えちぜん鉄道(福井県)の鷲塚針原駅(1928年)や、若桜鉄道(鳥取県)の隼駅(29年)がある。大内田准教授は「これらの駅舎は国登録有形文化財として地域活性化に一役買っている。北仙台駅もそうした『顔』となり得る存在だ」とその価値を評価する。

<周辺は再び活況期>
 「『北仙台』という地名はない。駅だけが地図に『北仙台』の呼び名をとどめている。商店会にも加盟する地元の誇りだ」と、話すのは北仙台商店会会長の半沢敬一さん(60)。駅周辺の盛衰を見てきた一人だ。
 山形方面と仙台市中心部を結ぶ交通の結節点として最も活気づいた60〜70年代、市街地拡大に対応する交通網の再編などで停滞した80〜90年代を経て、駅周辺は今新たな活況期を迎えつつあるという。
 2000年前後、駅周辺に高層マンションが次々と誕生。文教地区の青葉区上杉地区と隣接する点に子育て世代が注目し、他地域からの流入が活発になった。市地下鉄・バスとの接続の良さも人気を後押しする。人口増を当て込み、商店会には空き店舗の紹介を求める電話が相次ぐ。「空いた途端に借り手が付く」(半沢さん)と地元の雰囲気は明るい。
 もうすぐ駅周辺は七夕まつりの季節を迎える。「駅から南へ延びる県道北仙台停車場線沿いを、竹飾り20本で彩ります」と半沢さん。まつりの中心にあるのはもちろん、北仙台駅だ。

【おすすめ撮影スポット】

◎仙台貨物ターミナル駅(宮城野区)/新型旅客車両も狙える

 みちのく鉄道応援団の柏木璋一さん(83)=仙台市若林区=が推す撮影スポットは、仙台市宮城野区の仙台貨物ターミナル駅。プロ野球東北楽天の本拠地Koboパーク宮城の東側に広がる約17ヘクタールの広大な貨物取扱駅だ。
 「ここは線路脇に高い防音壁もなく、車両全体をきれいに撮影することができるんです」とお薦めの理由を説明する。
 1954年12月に初めてカメラを購入して以来、仙台市内を中心に鉄道写真を撮り続けている柏木さん。駅は仙台市内に数カ所持っている定期観測スポットの一つだ。
 駅の敷地東側を線路に沿って南北に走る市道脇にカメラを構え、通過する車両を狙えば、コンテナ貨車を引く機関車の雄姿を間近で捕捉することができる。運が良ければ、製造工場から各地へ貨物列車扱いで輸送される新型旅客車両を捉えることも可能だ。
 駅の東西をつなぐ市道の横断歩道橋も、迫力ある1枚が期待できる格好の場所だという。


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2017年06月15日木曜日


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