宮城のニュース

<仙台地裁切り付け>衝撃「まさか法廷で」

 「まさか法廷で」。仙台地裁で起きた被告の男による殺人未遂事件に、裁判員制度導入後、「開かれた司法」を掲げてきた裁判所関係者は大きな衝撃を受けた。事件は警備体制の「抜け穴」を浮き彫りにする一方、警備強化は憲法が保障する「傍聴の自由」を制約しかねず、地裁関係者は頭を悩ませている。
 捜査関係者によると、殺人未遂の疑いで逮捕された淀川聖司容疑者(30)が法廷に持ち込んだ刃物は、果物ナイフ3本とカッターナイフ2本。判決宣告中に突然立ち上がり、「でたらめ裁判だ」と叫んで上着から果物ナイフとカッターナイフを取り出した。
 傍聴していた宮城県警の警察官3人が取り押さえようとした際、2人が顔や背中などを切られた。県警幹部は「命を賭してよく取り押さえてくれた。裁判所を見学中の児童にけががなくてよかった」と話した。
 地裁によると、金属探知機などを使った所持品検査は暴力団関係者が絡む事件の公判が大半。裁判官の判断で検査の有無を決めるが、月1、2件程度しか実施していないという。
 近年、全国の法廷内で起きた事件は表の通り。高裁がある全国8カ所の裁判所では東京、札幌、福岡が常時、所持品検査を実施。仙台を含む5カ所は自由に出入りできる。
 「傍聴の自由」は憲法で保障された権利。地裁総務課は「所持品検査を含め、警備体制の見直しを慎重に検討する。警備レベルを上げると市民が入りにくくなる懸念もあり、安全確保とのバランスを取りたい」と語った。


関連ページ: 宮城 社会

2017年06月17日土曜日


先頭に戻る