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決壊した川の堤防、国と県で高低差 接合部急坂に

手前が県整備の堤防で、その先が国整備の堤防。2メートル以上の高低差があり、接合部は急坂になっている=大崎市古川西荒井

 2015年9月の宮城豪雨で決壊した大崎市の渋井川周辺の堤防工事で、国と宮城県の整備箇所で堤防の高さに2メートル以上の差が生じている。下流部の国整備に比べ、上流部の県整備の堤防は大幅に低い。住民らは「また被害が出るのではないか」と低い堤防からの越水を不安視し、早期の補完整備を求めている。
 現場は同市古川西荒井の渋井川の決壊地点を含む堤防で、多田川との合流点に近い(図)。県の工事は5月に完了した。県整備の渋井川と国整備の多田川の堤防の高さの差は、工事資料などから計算すると約2.6メートルになる。
 県北部土木事務所は「現況復旧の災害復旧工事のため高さは変えず、決壊した地点を中心に遮水シートの敷設などを行った」と説明する。堤防の高さは県、国ともに過去の水害などから決めたそれぞれの整備計画にのっとったものだが、国側は宮城豪雨後に平均で約1.5メートルかさ上げしたため高低差が目立つ。
 渋井川の決壊は、水量と流速に勝る多田川からの逆流による水の滞留が続き、堤防に水が浸透したことが原因とみられている。遮水工事を施したことで、今後、宮城豪雨と同様の雨量があれば、逆流によって低い渋井川の堤防から越水する可能性が現実味を帯びる。
 県側の堤防のかさ上げに同事務所は「堤防内側の流量は確保できている。かさ上げにはさらに、用地買収などが必要になる」と否定的で、整備計画にある水門設置による逆流防止が現実的な対処と強調する。ただ、水門の整備時期は未定で調査予算も付いていない。
 宮城豪雨で市内では計約3000ヘクタールが浸水し、家屋の浸水被害は約700棟に上った。被災した西荒井地区の住民らでつくる「渋井川の安全を望む会」の相沢克己代表(72)は「堤防の高低差に驚いた。また被害に遭うのではないか。水門の必要性を認識しているのなら、一刻も早く整備してほしい」と訴える。


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2017年06月17日土曜日


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