岩手のニュース

<内陸避難者>伴走型支援で暮らし再生に成果

斎藤さん(右)の新居で近況を尋ねる相談員

 東日本大震災からの暮らし再生で「いわて内陸避難者支援センター」の「伴走型支援」が成果を上げている。住宅再建を後押しするセンターの開設から1年余り。きめ細かな支援で、つらい境遇に置かれた避難者の悩みを受け止める。
 盛岡市のアルバイト斎藤道男さん(73)は、福島市から東京電力福島第1原発事故の難を逃れてきた自主避難者。2011年6月以降、アパートに身を寄せてきた。
 福島県による自主避難者向け住宅の無償提供が打ち切られる直前の今年3月、盛岡市の市営住宅に入居できた。センターの相談業務が奏功した一例だ。
 「打ち切りが迫り、焦りが大きかった。精神的な支えはもちろん、細かい手続きの相談にも乗ってもらえて助かった」と斎藤さん。センター相談員の川村みゆきさん(42)は「支援はここで終わりではない。今後も定期的な見守り活動を続ける」と力を込めた。
 昨年5月に開設したセンターは、被災者やひとり親家庭の支援に取り組むNPO法人「インクルいわて」が岩手県から運営を受託。戸別訪問などで住宅再建を支援する。必要に応じて不動産会社や社会福祉協議会とも連携する。
 戸別訪問は、主に岩手県や被災市町村から依頼を受けた782世帯が対象になる。このうち2割は再建方針を決めかねたり、連絡が取れないなどのケース。既に再建方針が決まっても途中で問題が発生し、再び住宅を探し直すこともある。
 訪問先は県内にとどまらず、北海道から九州まで全国に及ぶ。直接面談することで信頼関係を築き、悩みを打ち明けてもらえるよう心掛けているという。
 県は5月、沿岸の被災6市町にある仮設住宅の入居期限を最長19年夏までとする方針を発表。併せて、みなし仮設住宅の供与も終了する見通しだ。
 山屋理恵センター長は「ただ新しい家を確保すれば終わりではなく、その先の人生に対しても支援が求められる。今後も一人一人に向き合った伴走型支援を続けたい」と話す。

[いわて内陸避難者支援センター]2016年5月、盛岡市材木町に開設。スタッフは社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を持つ9人。開設初年度の相談件数は延べ計2463件で、内訳は電話対応1499件、戸別訪問858件、センターでの面談106件。今年4月現在の岩手県の内陸避難は1375世帯、2858人。


2017年06月17日土曜日


先頭に戻る