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<ほっとタイム>思い出が一番のお宝

納屋で見つかった掛け軸を見る桜井さん(右)と鉄幹さん。中国で買い求めた物らしい

◎亡き父の遺品鑑定

 宮城県利府町の会社社長松本鉄幹さん(53)は5月下旬、石巻市清水町の実家にある不用品の鑑定を業者に依頼した。東日本大震災の津波に耐え、自身と同じよわいを重ねた実家。道路新設に伴い取り壊すことになった。
 8畳ほどの納屋には、約25年前に亡くなった父泰二郎さんの遺品が山ほど。焼き物、置物、画集、掛け軸…。「何でこんな物買ったのかね」「好きな人に使ってもらおう」。とりとめのない多趣味に苦笑しつつ、思い出話が尽きない。鉄幹さんの写真、きょうだい3人のへその緒まであった。
 鑑定した仙台市青葉区の古物商「大黒屋」の桜井鉄矢社長(36)は「どの家にも必ずお宝は眠っている」。貴重な美術品や資料が見つかることも。近年は「終活」相談も多いという。
 この日の買い取り額は、金歯やペンダントを含めて計3万円。何より、父と家族の歴史をいとおしく振り返った鉄幹さん。「いい時間だったよ。ありがとう」
 物にまつわる人それぞれの思い。お金には換えられない「お宝」を引き出した桜井さんもまた、満足げだった。(報道部・村上浩康)


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2017年06月18日日曜日


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