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<CSR>地域に活力 人にやりがい

釜石市役所に派遣され、職場で同僚と打ち合わせをする丸さん(中央)

 東日本大震災からの復興支援で展開される被災自治体への社員派遣は、自治体と企業の双方が組織の活性化やキャリア形成につながるメリットを感じている。関連企業を含め社員5人を被災自治体などに派遣してきたTOTOの事例を見る。

 北九州市の同社工場で蛇口開発担当だった丸なみこさん(32)は昨年、釜石市総合政策課に着任。子育て中の女性や企業向けに短時間勤務の導入を促す事業の広報を担当した。釜石の自然や文化に触れる体験型イベントの事務局も担った。
 今春、商業観光課に異動し、同市が会場の一つになる2019年ラグビーワールドカップ日本大会を見据え、食のブランド化を支援する。
 同課の職員は17人。半数が企業の社員や民間経験がある復興支援員らだ。平松福寿(ふくひさ)課長(54)は「人やお金を呼び込むことが課の目標。外部から見て釜石がどう映るか考えることが重要」と登用の狙いを語る。
 丸さんの働きぶりについては「同年齢の市職員より資料作成やプレゼンテーションの技術に秀でる。仕事のスピード感、反射力も高い」と評価する。
 丸さんは東京都出身。現在の仕事に大企業では得られない喜びを感じている。
 TOTOには、発展途上国の生活環境向上など仕事を通じた社会貢献を目的に入社した。やりがいがある半面、「組織が大きく、人の役に立つ感触を得にくい」と思うこともあった。
 釜石市への派遣は志願して実現。震災後、同僚が別の自治体に派遣されたことが刺激になったという。仮設住宅に住み、住民とも打ち解けた。「仕事が誰に、どう役立っているかが見える」と手応えを語る。
 丸さんは「地方や社会に多くの課題があると実感した。視野は確かに広がった。復帰後は経験を生かし、仕事を社会課題の解決につなげたい」と決意する。


2017年06月18日日曜日


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