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<衆院区割り改定>地方の実情制度に反映を

 衆院定数を小選挙区で6、比例代表で4削減する改正公選法が16日、公布された。次期衆院選で東北は青森、岩手両県で小選挙区が各1削減され、比例東北も1減る。青森、岩手、宮城、福島4県では計15選挙区の区割りが再編された。

◎東京検分録

 「1票の格差」の是正とはいえ、東日本大震災の影響で人口流動が激しい被災地にとっては「しゃくし定規」に映る。吉野正芳復興相(衆院福島5区)は「変更で不安を抱く被災地の首長がいるので、影響が出ないように一生懸命努力したい」と話すが、精神論だけでは限界があるだろう。
 新岩手2区は、沿岸部全域と二戸、滝沢両市など内陸北部が一緒になり、面積は本州最大の9652平方キロ。青森県全域とほぼ同じで広大だ。
 5月末の衆院倫理選挙特別委員会で、民進党の階猛氏(岩手1区)は「有権者の議員へのアクセスが難しくなる上に議席配分が減ると、地方の声がダブルで国政に反映されにくくなる」と指摘。「都市部の声が地方の声をしのぐ『シティー民主主義』を危惧せざるを得ない」と指摘した。
 高市早苗総務相は「投票価値の平等の観点を考えると、1票の格差に優先して面積の要素を考慮に入れるのは、これまでの最高裁判決に照らすとなかなか困難」と素っ気なかった。
 2020年国勢調査の結果公表後の22年ごろには、都道府県の人口比を正確に反映しやすい「アダムズ方式」を導入した区割り改定が予定される。
 それに照らせば、5年後は宮城、福島の小選挙区が各1減る可能性が大きい。今回より大規模な区割り再編が想定される。
 自民党の土井亨氏(衆院宮城1区)は「今回は仕方がない」とした上で、「都市と地方、人口減少など課題がある中、風土に合った選挙制度の在り方を根本的に議論する時期ではないか」と問題提起する。
 国家の3要素は領土、国民、主権と言われる。東北に限らず地方は、食糧やエネルギー供給などで国の根幹を担っている。地方の実情をくみ取った制度改革の実現に向け、知恵を絞ってほしい。(東京支社・瀬川元章)


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2017年06月19日月曜日


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