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3Kイメージ影響?警察官採用に赤信号

 1990年前後のバブル期以来、空前の「売り手市場」となっている就職戦線で、警察官の採用に赤信号が点滅している。警察庁によると、大卒受験者数は東日本大震災以降に減少の一途をたどり、2016年度は震災前の10年度に比べ半減した。最大被災地・宮城でも減少傾向に歯止めがかからず、県警は人材確保に四苦八苦する。少子化や景気動向に加え、「きつい、汚い、危険」の3Kイメージが影響しているとみられる。

<民間へ流出か>
 10年度以降の全国と宮城県警の大卒受験者数、倍率の推移は表の通り。全国の受験者数は10年度に比べ半減し、倍率も9倍台から5倍台に下落した。
 警察庁は「民間企業の採用活動の動向が背景にあるのではないか」と語り、景気回復に伴う企業側の採用意欲の高まりが、受験者数の低迷を招いているとみている。
 県警では、10年度に1285人だった受験者が16年度は558人に激減。倍率も震災後最低の約4.5倍になった。本年度の申し込みは15日現在、約460人にとどまり、16年度を下回る見通しだ。
 主な要因として県警は(1)震災後に急増した復旧復興工事関連企業への流出(2)被災地業務への不安−があると分析。「行方不明者を捜索する警察官の姿などが好意的に伝えられる一方、被災地での仕事が大変だと受け止められているのかもしれない」と学生心理を推し量る。

<「3Kの印象」>
 大学や就職活動中の学生は別の見方を示す。学生1万1236人を擁する東北最大の私大・東北学院大からは例年、20〜30人が宮城県警に採用されている。
 同大就職キャリア支援課の栗林野一課長は「警察官は3Kの印象が根強い。警察学校に入った後に辞める学生もいる。理想と現実のミスマッチがある」と指摘する。
 サイバー犯罪やストーカー対策など警察活動の幅が広がる中、「学生が『楽な方へ』と民間企業に流れる傾向もある」という。
 警察官を目指す仙台大4年佐藤美鈴さん(21)=仙台市泉区=によると、同級生や友人らは民間企業志向が強い。佐藤さんは「警察学校を辞めた先輩の話を学内でよく耳にする。厳しくしごかれるイメージが強いせいかもしれない」と話す。
 県警は、柔道または剣道で初段以上の受験者に加点する「資格加点制度」を本年度の採用から導入。他にもあの手この手で志望者増につなげようと対策を練っているが、効果は未知数だ。
 県警警務課で採用担当の菅原隆課長補佐は「受験者の減少が続けば組織の質を維持できない。多様な取り組みを進めているが、一県警では限界がある」と危機感をあらわにする。


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2017年06月20日火曜日


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