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<ようこそ東北のホストタウンへ> 事前合宿と二段構え

カナダでも盛んなスポーツクライミングに熱中する盛岡市の子どもたち

 オリンピック(五輪)は、世界各国の人々が関わる人類の「平和の祭典」だ。2020年東京五輪・パラリンピックの開催効果を全国に広げようと、国は「ホストタウン」登録を進める。東北でも既に20を超える自治体が登録され、それぞれの相手国・地域の選手らを迎えてもてなす動きが出始めた。地域活性化や観光振興につなげたい。そんな思いもある各県の登録自治体の取り組みを見てみよう。

(3)岩手 盛岡市=カナダ
 盛岡市中心部の街路がハンギングバスケットで彩られる季節になった。姉妹都市のカナダ・ビクトリア市に倣った取り組みだ。1985年から続く姉妹都市交流を足掛かりに、カナダのホストタウンに名乗りを上げた。

 ビクトリア市は、盛岡出身で国際連盟事務次長を務めた新渡戸稲造最期の地でもある。東日本大震災直後の2011年5月には、現地のビクトリア・盛岡友好協会から支援金が届いた。
 「盛岡唯一の温泉として一丸となって歓迎したい」と話すのは、つなぎ温泉観光協会長の菊地善雄さん(64)だ。
 協会加盟の旅館やホテルは、外国人でも温泉の入浴マナーが一目で分かるよう「かけ湯をしてから入浴する」「浴槽内で泳がない」など日本の風習をイラストにして客室や浴室に掲示する取り組みを始めた。
 伝統の夏祭り「盛岡さんさ踊り」(8月1〜4日)には、カナダのスポーツ選手や競技関係者の招待を検討。在日カナダ大使館と連携し、市民や小中学生を対象にした文化講座、カナダ代表選手による各種競技の体験会も予定している。

 市はホストタウンの取り組みと並行して、7人制ラグビーや水球、バレーボールでカナダ代表チームの事前合宿の誘致も狙う。
 中でも東京五輪で追加種目になるスポーツクライミングは施設の充実度でアピール。7月に谷藤裕明市長がカナダを訪問し、正式に誘致が決まる見通しだ。
 スポーツクライミングの施設を備えた岩手県営運動公園(盛岡市)では県山岳協会が、小学生から高校生までを対象にしたクライミング教室を定期開催している。
 教室に通う小学5年の菅原来愛(らぶ)さん(10)は「ホストタウンに選ばれたことで盛岡にカナダの強い選手がたくさん来てくれる。今から楽しみ」と胸を弾ませる。
 盛岡広域スポーツコミッション事務局長の細川恒さん(60)は「国際レベルの充実した施設や東京からの交通アクセスの良さ、自然と調和した美しい街並みなどを評価してほしい」と話し、ホストタウンと事前合宿の二段構えでカナダの人々をもてなしたい考えだ。


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2017年06月16日金曜日


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