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<富士登山>被災高校生 田部井さん遺志継ぐ

昨年7月の富士登山。参加者と5合目到達を喜ぶ田部井さん(右から3人目)=東北の高校生の富士登山事務局提供=
昨年10月に死去した田部井淳子さん

 登山家で昨年10月に77歳で死去した田部井淳子さん(福島県三春町出身)らが発案し、東日本大震災の被災高校生を対象に実施してきた「東北の高校生の富士登山」は今年も7月25〜27日、2泊3日の日程で実施される。田部井さんの長男で会社経営、進也さん(38)らが田部井さんの遺志を継いだ。被災地の将来を支える若者に富士山(3776メートル)への登山を通じ、元気と勇気を育んでもらう。
 富士登山は田部井さんと山と渓谷社・日本山岳遺産基金(東京)の主催で2012年夏に始まり、5回目の昨年までに延べ415人の生徒が参加した。
 進也さんによると、田部井さんは生前、「1000人の被災高校生を富士登山させたい。日本一の山から次なる東北を支える力をもらい、前へ進んでほしい」と話していたという。
 田部井さんは5回全てに参加。昨年7月の前回は腹膜がんと闘病中だったが、「無理のない範囲で迷惑を掛けないように(登る)」と強く望んだため、進也さんらが承諾。登頂は断念したが、標高3010メートルまで高校生と一緒に登った。
 今年は震災遺児2人を含む宮城、福島両県の高校生73人が参加する予定。既に募集は締め切った。
 進也さんは「母が命を賭けた富士登山を終わりにする選択肢はなかった。一歩ずつ進めば、どんなにつらくても必ずゴールが来ることを感じてほしい」と呼び掛けている。
 高校生の参加費は1人3000円。交通費、山小屋宿泊代といった必要経費は1人約7万5000円だが、差額を企業などからの寄付金で賄っている。
 主催者は寄付金を募集している。スマートサバイバープロジェクト事務局(東京)がインターネット上で運営する「スマートサプライ」https://smart-supply.org/#/tabeiと、郵便振替で受け付けている。
 連絡先は東北の高校生の富士登山事務局03(3264)6426。


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2017年06月22日木曜日


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