宮城のニュース

<原発事故>過疎風評 共に考えよう

丸森町大内の直売所を視察する野木沢地区まちづくり委員会のメンバーと宮城大OGたち

 ともに中山間地で、過疎化や東京電力福島第1原発事故の風評被害を受けた宮城県丸森町大内と福島県石川町野木沢のまちづくり関係者が、交流を始めた。第1弾として、野木沢の住民が大内の直売所を視察した。両地区の地域おこしに関わる宮城大の卒業生たちが縁を取り持った形で、今後も交流を続ける。

 野木沢の住民自治組織「野木沢地区まちづくり委員会」のメンバー16人が今月3日、大内の直売所「いきいき交流センター大内」を訪れた。
 直売所は2006年開業で順調に客足が伸びていたが、原発事故で売り上げが約3割落ち込んだ。放射性物質測定で食品の安全性PRに努め、15年度に事故前の水準を回復した。
 同委員会は地元での直売所設置を目指しており、売り場や放射性物質測定器などを見学。大内の住民らと意見交換した。近内光慶副委員長(65)は「過疎など似たような問題に悩む大内の取り組みは参考になる」と話した。
 交流のきっかけをつくったのは、宮城大事業構想学部の卒業生。12年に当時の学生6人が学会で野木沢を訪れて以降、野木沢まちづくり委員会が14年に開設した農産加工場の設計や商品パッケージに協力した。月1回の住民の交流の場「のぎさわカフェ」も開く。
 大内地区協議会は昨年10月、移住推進のため、地域の魅力や習わしを伝える「地域の教科書」制作を始めた。これに野木沢にも関わった卒業生の1人が協力した関係で、今回の交流が実現した。
 大内地区協議会の矢吹仁一郎会長(64)は「住民自治や住民協働のまちづくりを進めていく上で、われわれにとっても野木沢の取り組みは参考になる。今後も交流を続けたい」と語る。
 卒業生のリーダーで、宮城大臨時職員の相田茉美さん(27)は「復興はまだ途上。住民が向き合ってくれて育ててもらった分を、地域に還元したい」と話している。


2017年06月23日金曜日


先頭に戻る