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<杜の都のチャレン人>寺子屋から社会改善

寺子屋で孔子を紹介する手作りの紙芝居を披露する成田さん=仙台市青葉区上杉1丁目

◎子どもたちに先人の志を伝える/成田喜美代さん(50)

 第4日曜日の午前7時半近くになると、3、4組の親子連れが仙台市青葉区の官庁街にある鍵専門店に集まってくる。店奥の事務所の一角にゴザを敷いて始まるのは「日曜の朝の寺子屋」。仙台で活躍する社会人の講話や論語の唱和、日本を創った偉人を紹介する手作りの紙芝居に、子どもたちは目を輝かせる。
 「社会を良くするため頑張っている立派な人たちを、子どもたちに紹介するのが私の役目。いろんな生き方があることを伝えたい」。夫敦さん(50)と営む店の開店前の時間を活用し、2015年5月から月1回、小学生とパパやママ向けの無料の寺子屋を始めた。
 小学生だった長男と長女の子育てに忙しかった10年ほど前、歴史小説「吉田松陰」(山岡荘八著)を読み、日本の将来に命を懸けた生きざまに強い衝撃を受けた。「当時は社会のことにも無関心で、自分の子さえ幸せになれればいいとばかり考えていた。とても申し訳ない気持ちになり、何か行動を起こしたいと思うようになった」
 松陰が指導した松下村塾の仙台版をつくりたい−。そんな夢を抱いて、松下政経塾の塾頭を長く務めた上甲晃氏が主宰する青年塾(堺市)に12年春に入塾。寺子屋の構想を温め続けた。「善悪の基準を明確に示してくれる論語を、寺子屋でも教えられるようになれたら」。子ども向け論語塾を主宰する論語学者安岡定子さんが東京で開いた講師養成講座にも通った。
 寺子屋を始めて2年。これまでに、友人を介して知り合った医師や保育士、シンガー・ソングライターら約20人を招いてきた。
 「これからは、子どもたちが論語や講話の感想を発信したり、話を聞いてみたい大人を自ら探したりすることも企画したい」。志高い人を知り、人のためにできることを考える子どもたちが増えたら、世の中はきっと良くなるはず。行動の先の未来を信じる。(智)

<なりた・きみよ>66年名古屋市生まれ。金城学院短大卒。同市の幼稚園教諭などを経て結婚後、92年から仙台市に暮らす。99年に「カギの救急車 勾当台店」を開業。16年、私塾「こども学心舎」を始める。青葉区在住。


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2017年06月24日土曜日


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