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<原発事故>猪苗代の牧場、6年ぶりに再開

磐梯山の麓にある牧場に放牧された牛

 福島県猪苗代町の町営磐梯山牧場は23日、東京電力福島第1原発事故の影響で中止していた牛の放牧を6年ぶりに再開した。町や農家は「農産物の風評被害払拭(ふっしょく)につなげたい」と期待する。
 牧場は1968年、磐梯山の麓に開設された。放牧地15ヘクタール、採草地51ヘクタールで、町内外の農家から毎年5〜10月に牛約30頭を受け入れていた。
 原発事故後の2012年2月の調査で、牧草から暫定許容値を上回る放射性セシウムが検出されて放牧を中止。13年から草地の更新を進め、牧草の利用が可能になった。
 再開初日は、猪苗代町と喜多方市の農家6軒の乳牛と肉牛合わせて16頭が放された。開牧式で前後公町長は「やっと本来の姿を取り戻せた。原発事故からの復興と町の安心安全を県内外に発信したい」とあいさつ。地元産の牛乳で乾杯した。
 原発事故後、北海道の牧場に乳牛を預けた猪苗代町の浅川輝大さん(32)は「続けるのに必死だった。牧場を忘れている人も多い。猪苗代は観光と農業が共存する町だとアピールしたい」と語った。
 同町の肉牛農家佐賀久人さん(65)は「牧場に牛の姿が見えなくて寂しかった。作業の手間が省けるので大変助かる」と放牧の再開を喜んだ。


2017年06月24日土曜日


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