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<都議選>「復興五輪」小池氏触れず

都議選候補の応援に駆け付けた小池知事=27日、東京都立川市

 東京都議選(7月2日投開票)は投票まで3日となった。小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファースト」の支持勢力が過半数を獲得するかどうかが最大の焦点に浮上。国政への影響もささやかれ「劇場化」の様相だ。その陰で東日本大震災からの「復興五輪」のように小池氏が一時は重要視したが、忘れ去られたテーマもある。(東京支社・小木曽崇、片山佐和子)

 告示された23日午前、地域政党「都民ファーストの会」を率いる小池氏は市場移転問題で揺れる中央区でマイクを握ったが、そこは築地ではなかった。
 「都議会は(新市場整備)予算を増やす方向に後押ししたとしか思えない」と触れただけ。中心は待機児童対策などの実績だった。
 その3日前、新施設が建つ豊洲(江東区)と現在の築地を併存させる案を発表。世論の動向は不透明だった。演説で市場問題に言及しなかった候補者は「ここに住む人は市場関係者と違う層」と弁明した。
 26日の新聞各紙は「豊洲・築地併存」に賛意を示す世論調査結果を伝えた。「風」を感じ取った小池氏は一気に攻勢を強める。
 「豊洲の市場整備費はいつの間にか6000億円にまで膨らんだ。情報公開に取り組み、意味のある賢い支出をしたい」。台東区の雷門前で28日夕、大勢の人を前に小池氏が訴えた。
 約1時間後。近くの小学校であった党公認候補の集会には安倍晋三首相が参加。「国会では政策的議論ができなかった。私の姿勢にも大きな原因があった」と反省の弁を語った。
 小池氏得意の劇場化戦略。都政運営でも「奇策」を繰り出してきた。その一つが東京五輪・パラリンピックのボート、カヌー・スプリント会場「海の森水上競技場」の見直しだ。
 「海の森だって1000億円にまで膨らんでいた」。唯一の日曜の25日、墨田区内では整備費高騰を抑制できなかった議会を批判。「古い議会よさようなら、新しい議会こんにちは」と勢力拡大を訴えた。
 小池氏は昨年10月、海の森の代替候補地に挙がった宮城県長沼ボート場(登米市)を視察する直前、「忘れかけていた復興五輪への関心を呼び起こす」と会場見直しの意義を強調した。
 今回は自身が忘れかけているのか、「劇場」の舞台が違うのか。復興五輪を口にする気配はない。
 もちろん、1300万首都の論点は多様であっていい。地方をリードする政策力と知恵を示すべきだ。そう割り切っても、小池氏の発言に振り回された東北の被災者や住民を思うと、やるせなさが残る。


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2017年06月29日木曜日


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