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<むすび塾>障害者の防災考える 被災施設跡視察

砂押川の堤防を背に「さくらんぼ」跡地を視察する参加者=宮城県多賀城市栄

 河北新報社は29日、通算68回目の防災・減災ワークショップ「むすび塾」を宮城県多賀城市で開いた。災害時、障害者の命をどう守るかがテーマ。当事者や支援者ら10人が参加し、東日本大震災の津波で被災した同市沿岸部の障害者施設「さくらんぼ」の跡地を視察、当時の避難経験などを基に備えの在り方を語り合った。
 さくらんぼは近くを流れる砂押川と仙台港の両方向から津波が押し寄せて全壊。知的障害者ら利用者は歩道橋に上って一夜を明かすなどして全員無事だった。
 引率した当時の職員で、現「さくら学園」(塩釜市)施設長の山崎雅博さん(44)は「地域住民の呼び掛けで避難でき、間一髪で助かった。日頃の交流が生きた」と振り返った。
 視察後は、さくらんぼが現在入る多賀城市の「みやぎ復興パーク」で意見交換。支援の前提として、障害者の存在が平時から知られていないとの声が相次いだ。
 車いすを利用する参加者からは「障害者自身が地域にもっと姿を見せるべきだ」(矢吹文敏・日本自立生活センター代表)「地域の防災訓練に障害者が参加する必要がある」(杉山裕信・CILたすけっと事務局長)との指摘が出た。みやぎ復興パークの鈴木登之和(としかず)事務長(58)は、車いす利用者も参加した防災訓練を重ねていることを紹介し「実施してみて初めて気付くことがある」と強調した。
 東北福祉大の阿部一彦教授(障害福祉学)は「障害への理解を深めるとともに、障害者が地域とのつながりを強めることが重要だ」と述べた。


2017年06月30日金曜日


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