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<ベルフィーユ>「地域密着」6年で幕

練習する雨堤みなみ選手兼マネジャー(左)ら仙台ベルフィーユの選手たち=23日、富谷市の富谷武道館

 バレーボール女子チャレンジリーグの仙台ベルフィーユが23日、チーム解散の方針を決めた。経営悪化を理由に日本バレーボールリーグ機構(Vリーグ機構)から退会勧告を受けての決断だが、クラブの内部対立も浮き彫りとなった。企業チーム中心のバレー界で、地域密着型のチームを目指していた。夢は設立からわずか6年で頓挫した。(佐藤夏樹)

<資金集め「限界」>
 3月、チーム運営会社「トゥエルヴ」の米田隼人社長、葛和伸元監督ら幹部4人が仙台市内の事務所に集まった。会議の名目は「来季に向けた打ち合わせ」。しかし、米田社長はクラブの窮状を語り始めた。
 「15〜16年シーズンから2季で多額の赤字が出ている。これ以上チームを存続させることはできない」。事実上の破綻宣言だった。
 関係者によると、チームの運営費は年間約4000万〜5000万円。昨季の収入は2500万円前後にとどまった。米田社長は「スポンサー集めに奔走したが、プロ野球東北楽天やJ1仙台を抱える仙台では限界があった」と主張する。
 これに反発したのはチーム保有団体のNPO法人仙台ベルフィーユだ。「そもそも赤字はトゥエルヴが営業努力を怠っていたから」(NPO法人関係者)。トゥエルヴが兵庫県のチーム「ヴィクトリーナ姫路」への吸収合併を提案したことも、出来レースという疑念を増幅させた。
 米田社長はNPO法人の理事長も兼ねていたが、4月に解任された。ベルフィーユに対するVリーグ機構の審査は5月24日に始まり、6月12日の理事会で退会勧告を決定。NPO法人は経営改善策を再提出したが認められなかった。決定の理由について機構から具体的な説明はないままだ。

<密室で議論進む>
 機構の対応に地元関係者は不信感を募らせる。NPO法人の荒谷敏理事長は「バレー界発展のためクラブチームを育てるのが機構の役割。このままではスポンサーやファンに説明ができない」と憤る。宮城県バレーボール協会の遠藤健三理事長も「機構の今回のやり方では地方のクラブは育たない」と指摘する。
 機構の対応は一貫して内向きだった。5月24日の理事会でも、取材に対して担当者は接触を拒み続けた。その後も理事会開催の日程すら明かされず、議論は密室で進んだ。ファンへの説明責任を果たそうという気持ちは感じられない。
 機構は05年の法人設立に際し、地域密着やファン重視などを活動の指針に掲げている。18年には新リーグ「スーパーリーグ」を立ち上げ、将来的にはJリーグのような特定企業に頼らない独立採算のクラブによるプロリーグ化を目指すという。しかし、ベルフィーユを巡る一連の対応を見る限り、その実現性には疑問を持たざるを得ない。


2017年06月30日金曜日


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