宮城のニュース

亡き子へ叫ぶ親心 震災怪異譚を朗読で熱演

寺を会場に朗読劇を上演する芝原さん(中央)

 宮城県石巻市出身の役者芝原弘さん(35)による演劇ユニット「コマイぬ」が、宮城県女川町の照源寺で、朗読劇を上演した。題材は、東日本大震災後に東北の作家たちがつづった怪異譚(たん)『渚(なぎさ)にて あの日からの<みちのく怪談>』(荒蝦夷)。死者と生者をつなぐ物語は来場者の涙を誘った。
 震災の被災地にある照源寺には25日、地元住民ら約80人が詰め掛けた。芝原さんと岩沼市出身の役者菊池佳南さん(30)ら役者3人が、「渚にて」に収められた9編を演じた。
 朗読や芝居仕立ての演出を組み合わせ、ギターとバイオリンの演奏も交えて死者への思い、生者の祈りなどを表現した。
 作品「私の話」は、震災で亡くなった子どもが幽霊として出る話。子どもの親が「本当にアイツが幽霊になってるってんなら、俺は嬉(うれ)しいよ! もう一回会いでぇよ!」と叫ぶ。
 亡くなった人の幽霊と再会したり、心の中に生きる死者と対話したり。悲しみの中に温かさを含む公演を、来場者はそれぞれの思いで見入っていた。
 芝原さんは2013年から「コマイぬ」の活動を開始。「よみ芝居」と題して朗読劇などを上演している。芝原さんは「今回は作家の人たちの思いを代弁した公演。今後も東北の人々の言葉を多くの人に届けたい」と話した。


2017年06月30日金曜日


先頭に戻る