岩手のニュース

<犠牲者追悼施設>遺族ら違和感「支持できぬ」

デザインした大学教授の説明に複雑な表情を浮かべる三浦さん

 「支持できないデザインを詳しく見る必要はない」
 28日夜にあった岩手県釜石市の「祈りのパーク」整備推進委員会。各委員が模型を囲む中、市鵜住居(うのすまい)地区防災センターで妻郁子さん=当時(63)=を亡くした三浦芳男さん(71)は、自席から動こうとしなかった。
 「大事なことが置き去りにされている。誰のための施設なのか。亡くなった人のことを考えてほしい」
 センターの被災者遺族連絡会長を務める三浦さんは、デザインの変更を強く訴えていた。丘にわざわざ造ったくぼ地を「慰霊の場」にして芳名板を並べることへの違和感が、その理由だ。
 「センター内では大勢が亡くなった。それなのに、また犠牲者を押し込めるのはかわいそうで承服できない」と強調した。
 センターは指定避難場所でなかったにもかかわらず、震災前は避難訓練に利用された。このことが、推計162人の犠牲者を出した原因と考える遺族は少なくない。
 パークはその跡地に整備されるが、位置付けは全市的追悼施設に拡大し、センターでの悲劇に焦点を絞った石碑建立などの計画もない。
 センターで多くの犠牲者が出たことを忘れないため、芳名板は地区別に刻むべきだとの三浦さんの主張は退けられた。「何のためセンター跡地にパークを造るのか。まるで悲劇を風化させようとしているようだ」との思いが募る。
 パークがセンター跡地に整備されたことを示すというが、三浦さんは「センターが市の公共施設だったことと、そこでの出来事の二つを明示しなければ納得できない」と訴える。


2017年06月30日金曜日


先頭に戻る