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閖上に心の支え再び 被災の寺が悲願の上棟式

本堂の中で行われた上棟式。津波に耐えた柱の一部を再利用する

 東日本大震災の津波で全壊状態となった宮城県名取市閖上地区の東禅寺が、震災前とほぼ同じ場所で再建を進めている。以前の面影を残そうと津波に耐えた柱を再利用し、同地区を末永く見守るべく檀信徒の願いを書き入れた瓦を葺(ふ)く。12月の完成を目指し、三宅俊乗(しゅんじょう)住職(58)は「もう一度、閖上に寺を復興させる」と力を込める。
 30日、海からほど近い現地で本堂(約260平方メートル)と庫裏(同)の上棟式が行われ、関係者約80人が参列した。三宅住職らが読経したほか、本堂の屋根から餅をまくなどして工事の無事を願った。
 東禅寺は1580年代の創建で、長く閖上地区の住民の心の支えとなってきた。2011年3月、津波の直撃を受け、柱や基礎は残ったものの全壊状態に。先代住職夫妻や檀信徒約235人が犠牲になった。
 三宅住職は当初から再建を目指したが、閖上地区の復興の遅れで前に進まず、昨年10月にようやく基礎工事がスタート。震災前の木組みの跡が残る柱も使って骨組みを組み上げ、上棟式にこぎ着けた。
 護持会の高橋善夫会長は「大勢の方が亡くなったあの日から6年以上がたち、やっとここまで来た。寺が檀信徒の心のよりどころになることを期待している」と話す。
 東禅寺は檀信徒に「家内安全」「先祖供養」などの願い事を募集。三宅住職が名前とともに瓦約500枚に書き入れ、屋根に載せる「瓦志納」も行う。
 三宅住職は「閖上の復興が遅く心が折れそうになる時もあったが、再び戻ってくる日が近づいてきた。無念にも亡くなった方の思いを胸に、何としても復興を果たす」と意気込む。


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2017年07月01日土曜日


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