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<東電旧経営陣裁判>「過失明白」風評と闘う

栽培するナシに袋を掛ける阿部さん=福島市

 東京電力福島第1原発事故の責任を問われ、強制起訴された東電の旧経営陣3人に対する裁判が30日、東京地裁で始まった。事故から6年余り。避難中に家族を失った遺族や古里、生活の糧を奪われた福島県内の被災者はそれぞれの思いを抱え、初公判当日を迎えた。
 「津波対策を怠った東電の過失は明白だ」。福島市の果樹農家阿部哲也さん(54)は、有罪判決が出ることを強く願う。
 27歳で農家を継ぎ、収穫したナシやリンゴは贈答用として県内外で高い評価を得てきた。原発事故で一時は出荷できなくなり、現在も風評被害と闘う。
 「放射線不安のない地域に戻したい」。集団訴訟の原告の一人として、東電に原状回復を求めている。
 果物は放射性物質濃度検査で安全性を確かめる。風評払拭(ふっしょく)には不可欠だが「すぐに出荷できないことが一番のストレス」と憤る。
 民事の集団訴訟では今年3月、前橋地裁が東電の過失を認定。刑事でも今後の民事でも判決は一緒でなければならないと考える。
 「旧経営陣は責任を負ってしかるべきだ。安全神話を推し進めてきた『根っこ』の部分を、国に改めさせるためにも」


2017年07月01日土曜日


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