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<東電旧経営陣裁判>大事なのは今後の希望

仮設住宅団地にある高齢者グループホームの依頼で、利用者の髪をカットする松本さん=いわき市

 東京電力福島第1原発事故の責任を問われ、強制起訴された東電の旧経営陣3人に対する裁判が30日、東京地裁で始まった。事故から6年余り。避難中に家族を失った遺族や古里、生活の糧を奪われた福島県内の被災者はそれぞれの思いを抱え、初公判当日を迎えた。
 第1原発が立地する福島県双葉町は避難指示の解除見通しが立っていない。いわき市南台の仮設住宅で避難生活を続ける元美容院経営松本節子さん(66)は一歩引いて裁判を見守る。
 「私たちがまず望むのは事故の真実を知ることより、早く落ち着いた暮らしを送りたいということ」
 仮設にはピーク時、244世帯434人が住んだ。町外に自宅を再建する世帯が増え、今は約3分の1。残ったのは高齢者が多く、今年2月には孤独死が起きた。
 松本さんは今春、解散していた自治会を復活させ、会長を引き受けた。花見をしたり茶話会を開いたり。「集まって話すだけで心は休まる」と言う。
 住民の多くはいわき市勿来酒井地区に来春完成する災害公営住宅への入居を待つ。「責任を追及しても古里が元に戻るわけではない。大事なのは今後の希望だ」と強調した。


2017年07月01日土曜日


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