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<再生エネ買い取り5年>メガソーラー計画続々

上海電力がメガソーラーを計画する福島県西郷村の予定地の一部。約400ヘクタールは賃借契約で確保済みという

 東北ではメガソーラー計画が相次ぐ。固定価格買い取り制度によってメガソーラーは2016年末現在、6県で計492件が稼働。未稼働は766件に上る。中央資本や外資中心の売電ビジネスに、地元の戸惑いや反発、異論は根強い。
 ドイツのフォトボルト・デベロップメント・パートナーズは東北で7件のメガソーラーを計画する。遠野市の出力60万キロワット、青森県横浜町の50万キロワット、大崎市の15万5000キロワットは、別の企業が運営する現在国内最大の11万5000キロワット(青森県六ケ所村)を上回る規模だ。
 フォト社の3件は東北電力の送電線接続手続きに時間を要し、稼働は5〜8年かかる見通し。同社は「遅れているが、原発が再稼働しなければ送電容量に空きができ、再生エネ促進が図られる」とみる。
 計画地の自治体の反応はさまざまだ。建設予定地はゴルフ場跡地や牧草地、耕作放棄地が多い中、横浜町は町有地400ヘクタール以上を賃貸する方針。地元にとっては地代、固定資産税収入が魅力だ。一方、遠野市は1000ヘクタールに及ぶ巨大計画に対し、「市街地に近く、景観や環境などの懸念がある」(市経営企画部)と反対の立場を示す。
 福島県西郷村では中国の上海電力が約400ヘクタールに15万6360キロワットの設備を計画、20年稼働を目指す。同社日本法人の〓(ちょう)旭(あさひ)社長は「遊休地活用のほか、数十人の雇用が生まれる。復興に貢献したい」と強調。総事業費500億〜600億円には村道改修や桜並木整備など村の要望も反映する。
 村内では1万キロワット超のメガソーラー計画が少なくとも9件ある。村議会からは乱開発を懸念する声も出ているが、村総務課は「村に許可権はなく、拒否できない。住民理解に配慮して地元に貢献してほしい」と静観の構えだ。
 買い取り制度は採算を担保して再生エネ拡大を促す半面、資本力に勝る大手の大規模開発を助長した。
 宮城県内で市民出資型の太陽光事業(総出力2550キロワット)を展開する「おひさま」(石巻市)の斎藤祐司社長は「買い取り価格が下がり、大手の大規模計画以外は採算が合わない。目的や規模に応じた柔軟な制度にし、地域のベンチャー企業を育成すべきだ」と訴える。
 新妻弘明東北大名誉教授(エネルギー・環境学)は「経済原理重視の売電ビジネスでは、従来の原発や火力発電所の立地と構図は変わらない。エネルギーの地産地消を図るなど、将来の持続可能性を見据えた政策が必要だ」と指摘する。


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2017年07月01日土曜日


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