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養殖漁場にICTブイ 水温確認スマホで楽々

養殖漁場にICTブイを設置する作業

 東日本大震災の被災地の産業振興策として、NTTドコモが東松島市などのカキやノリの養殖漁場で情報通信技術(ICT)を活用した実証実験に取り組み、成果を上げている。漁場にICTブイを設置し、漁師は陸上に居ながらにして1時間単位で海水温度、塩分濃度が分かる仕組み。実証実験を踏まえた商用版のICTブイの開発がほぼ完了し、9月から全国で販売する予定という。
 同社は昨年3月、東松島市の東名漁港と大曲浜漁港のカキ、ノリ養殖漁場に通信、センサー機能を搭載したICTブイ計7基を設置した。ICTブイで水温、塩分濃度のデータを収集・蓄積し、漁師はそのデータをスマートフォンのアプリで確認できる。
 カキやノリの養殖は、水温が生育を大きく左右する。東名漁港のカキ養殖漁場では採苗の7〜9月、毎日1回出航し水温を計測してきた。本来なら1日3回測って平均水温を把握したくても現実的に厳しく、夜の水温変化は想像や勘に頼るしかなかったという。
 ICTブイの設置により、漁師は容易に定時の水温、毎日の平均水温の確認ができ、船の燃料コスト削減にもつながっている。年間を通じて1時間ごとの細かいデータも蓄積され、その年の生育状況の検証も可能になった。
 大曲浜漁港のノリ養殖漁場では育苗の9月下旬〜10月中旬、水温と塩分濃度を測るため、約20キロの育苗場まで1日2往復していた作業が省けた。塩分濃度が正確に分かり、作業のタイミングも適切に把握できるようになった。
 昨年10月からは、熊本地震で被災した熊本市のノリ養殖漁場でも支援として試みている。現地のノリ養殖は、大幅な収穫増につながっているという。
 実証実験に協力した宮城県漁協の二宮義秋・鳴瀬支所研究会会長(40)は「昼と夜の水温の積算が分かり、これまで経験に頼っていた水温の情報を正確に収集できてありがたい。仕事が楽になり、経費も抑制された」と話している。


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2017年07月02日日曜日


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