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被災校舎の思い出たどる 旧野蒜小でお別れ会

家族と小学校時代の思い出を振り返る優大さん(右)

 東日本大震災で被災した東松島市旧野蒜小の校舎で1日、「お別れ見学会」が開かれた。校舎を防災体験型宿泊施設とする改修工事が今月上旬に始まるのを前に、住民らに開放した。卒業生ら約80人が訪れ、それぞれの思い出をたどった。
 鉄筋3階の校舎には震災時、津波が押し寄せ1階が浸水。壁や天井が剥がれたままの部屋もあり、津波の爪痕が今も残る。
 家族4人で訪れた東松島市鳴瀬未来中2年の石井優大さん(13)は震災当時、小学1年生だった。「学校としての姿を見るのが最後だと聞き、クラブ活動を休んで来た」。1階の教室前には自分のネームプレートが残っていた。「懐かしい」と幼い記憶を呼び起こした。
 優大さんは震災時、学校に迎えに来た母友恵さん(43)と体育館にいた。津波に襲われたが、危機一髪で助かり、夜に校舎3階の音楽室に避難。2人は音楽室で「寒かったよね」などと当時を思い出していた。
 同市のアルバイト青田恵輔さん(18)は震災時、同校の6年生。思い出深い校舎を巡り「大好きだった先生たちの記憶が残っている。改修されてできる新しい施設が、地域のためになってほしい」と話した。
 校舎は、市と利活用の契約を結んだ株式会社「貴凜(きりん)庁」(東京)が改修し、防災体験型宿泊施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」として来年4月にオープンする予定。
 旧野蒜小は震災後、同市小野の仮設校舎で授業を行い、2015年度限りで142年の歴史を閉じた。16年4月に旧宮戸小と統合し宮野森小となった。


2017年07月02日日曜日


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