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<クニマス>田沢湖再生へ一歩

水槽を泳ぐクニマスを見詰める三浦さん

 山梨県から仙北市田沢湖クニマス未来館に貸与されたクニマスは、1935年に田沢湖から送られた約10万粒の卵から繁殖した子孫とみられる。卵を送った漁師のひ孫の自営業三浦久さん(68)=仙北市田沢湖潟=は「湖再生に向けた大きな一歩だ」と開館を喜ぶ。
 絶滅前、田沢湖のクニマスは1匹がコメ1升に相当すると言われたほど、高価な魚だった。
 「我ナギアトニテモ此(この)ホリヲステルヘカラズ」(私がいなくなった後も、このホリを捨ててはならない)。三浦家は、クニマス漁を営んだ先祖が約100年前に書き残した文面で「ホリ」と呼ばれた漁場を大切に受け継いでいた。
 久さんの曽祖父は漁協役員を務め、山梨県の西湖(さいこ)や本栖湖(もとすこ)の漁協に卵を送った。その記録を本にまとめたのが、久さんの父久兵衛さん=2006年没=だった。久兵衛さんは西湖や本栖湖などに繰り返し足を運び、絶滅後も生存を信じてクニマス探しに奔走した。
 現在、湖の酸性度を改善するために国の中和処理施設が稼働するが、生態系の回復までには至っていない。三浦さんは「クニマスが田沢湖のそばに来たのを機に、命あふれる湖に向けた再生の機運が高まってほしい」と願う。


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2017年07月02日日曜日


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