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ブドウの里再生へ 畑と担い手マッチング

ブドウ畑が集まる十分一山

 ブドウ栽培で約300年の歴史を持つ山形県南陽市が、ワイン醸造用ブドウの栽培拡大によって地域活性化につなげようというプロジェクトを進めている。市は本年度、斜面にブドウ畑が集まる赤湯地区の十分一山(じゅうぶいちやま)周辺で栽培をやめた畑がどの程度あるかや農家の生産意欲を調査。畑と担い手のマッチングなどを進める。
 市によると、ブドウ畑が広がる景観が市のシンボルにもなっている十分一山では計約30ヘクタールで約50人が栽培しているが、この10年ほどで徐々に耕作放棄地が広がっている。
 市内全体のブドウ栽培面積(2015年)は140ヘクタールで、5年前に比べ39ヘクタール減少。ワイン用の栽培面積は約20ヘクタールにとどまり、生食用が主体となっている。
 一方、同市新田地区の旧工場跡地では来月にも、首都圏でイタリアンレストランなどを営む飲食店グループが新たなワイナリーを開業する予定。耕作放棄地を含む1.8ヘクタールでデラウェアなど5種類ほどのブドウを栽培し、年間約10キロリットルのワインを製造する計画だ。
 既存の4社に加え、市内で計5社のワイナリーが操業することになる。市は昨年11月に国からワイン特区に認定された。今後は小規模ワイナリーの新規参入も期待され、将来的に原料のブドウの需要が地元で高まる可能性もある。
 国内産ワインは原料のブドウ不足から値上がり傾向にある。このため市は生食用からワイン用への転換を促して栽培面積減少に歯止めを掛け、高齢化などによる担い手の確保にもつなげたい考えだ。
 具体的には、作付け状況や今後の土地利用について各農家の意向を調査。新規就農を希望する個人や企業とのマッチングシステムの構築を図る。
 市農林課の担当者は「歴史あるブドウ畑は景観上も保護すべき大切な場所。将来に向け確かなビジョンを作りたい」と話す。


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2017年07月03日月曜日


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