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<北ICBM発射>違法操業も 漁業者怒りと不安

北朝鮮籍とみられる小型漁船。好漁場から日本のイカ釣り船団を締め出している(山形県漁協提供)

 北朝鮮の弾道ミサイルが落下したとみられる男鹿半島沖の海域周辺では、酒田港を拠点とするイカ釣り船団約10隻が2日に航行していた。違法操業を繰り返す多数の北朝鮮漁船によって、能登半島北西の好漁場「大和(やまと)堆( たい)」から締め出され、北海道利尻島沖に移動を余儀なくされたためだ。「ニュースを見て、ぞっとした」と青ざめる漁業関係者は、やり場のない怒りと不安を募らせている。
 山形県漁協(酒田市)などによると、イカ釣り船団は6月3日に出航。日本の排他的経済水域(EEZ)内の大和堆周辺で漁を始めると、北朝鮮籍とみられる小型木造船が漁場周辺に集まり始めた。
 6月下旬にはレーダーに映る範囲で300隻近くにまで増加。長い網を潮流に任せて流す「流し網漁」を行うようになった。
 船団の1隻、第85若潮丸(184トン)の漁労長本間健さん(61)=酒田市=は「流し網漁をやられたら網が船に絡まり、航行不能になる恐れがある。とても操業できない」と話す。
 本間さんは今月2日に大和堆での操業を断念。船団の約10隻と共に、男鹿半島沖を経て3日までに利尻島沖へと移動した。
 北朝鮮船とみられる外国船の違法操業は、昨年秋から冬にかけても確認された。全国いか釣り漁業協会(東京)の担当者は「今年はこれまで見掛けなかった流し網船が現れた。船もやや大きくなり、レーダーなどの装備も充実してきている」と警戒する。
 業界団体の大日本水産会(東京)は水産庁などに取り締まりの強化を要請しているが、効果は出ていない。水産庁の担当者は「漁場を確保できるよう努めてはいる。ただ、相手が相手だけに丸腰で強行(拿捕(だほ))というわけにはいかない」と言い、打開策は見えない。
 大和堆の周辺海域には、北朝鮮が5月29日に発射した弾道ミサイルが落下した。北朝鮮の今回の発射に対し、酒田市の丸山至市長は「日本海でイカ釣り船団が操業中の発射で、断じて許しがたい。政府には北朝鮮に厳重に抗議するとともに、安全に操業できる措置をお願いしたい」との談話を出した。


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2017年07月05日水曜日


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